同じ96年マスタの CD を持っていたので Dire Straits の SHM-CD 買ってみた。
ライナーは型番など以外は全く同じだった。 通常のプラケに SHM-CD の説明文を書いた紙と、硬質のビニールカバーが付いていた。
とにかく聴きまくった。
漠然と聴くのではなく、このスネアの音、というように目的を絞って、数回聞いて、ディスクを入れ替えて聴いて、再度、入れ替えて聞き比べてみた。 リマスタ盤が出ると、よくこうやって聞き比べたが、リマスタ盤の場合は、ディスクを入れ替えたときに音のレベル(大小)を合わせないといけないのだが、それよりは楽であった。
まずはディスクマン+ヘッドフォンで比較した。 常時メモリによる音飛び防止が ON になっているタイプなので常に2~4倍速で回っているタイプのものである。
次はミニコンポ+ヘッドフォン、これもMDダビング時に4倍速が可能なので、普段の再生時の回転数も速くなっている可能性もある。
次は普通のオーディオ(普段はレコード専用機)、CDプレーヤは古い機種なので、たぶん等速回転のもの。 大音量で聴くために、家族が出かけている時間帯に急いで比較した。
最後はPC。 PC でリアルタイム再生と、iPodに入れてからの再生。
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とにかくいずれも明確な違いは感じられなかった。
入れ替えながら繰り返し聴いているときに、たまに「こんな音も入っていたのか」、と気づくことがある。 SHM-CD を聴いているときに気づくことが多いので、何らかの違いがあるのかなぁ、と思うが、直後に従来 CD を聴いてみると、同じ音が同じように入っている。 その音に絞って繰り返し聴き比べても同じであった。
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耳ではわからないのでリッピングしてデータの比較をやってみようと思った。
旧CDとSHM-CDのそれぞれから作成したWAVファイルが同じかどうか調べてみるのだ。
バイナリ(1バイトずつの意味)の比較アプリは探せばフリーのものがあったかもしれないが、他にも使うと思うので自前で作った。
まずは1曲リッピングしてみた。 サイズは同じだが90%以上のバイトで違う。 無音部分などのズレもあるかもしれないので、8バイト抜き出して合致する部分を探し出して、データのズレを考慮して比較できるようにした。
この曲は900バイトずらして比較すると全く同内容であった。
2枚のCD はWAV ファイルにすると同じことになる。 おそらく iPod のファイルでも同じになるだろう。 また一般の CD プレーヤでも倍速以上で読み込んでいるものは、何らかのデータとしての扱い(バッファリング等)をおこなっているので、同じであろう。
ついでなので、データの読み取りミスについて調べてみた。
旧CDから同じ曲を何度かWAVファイルを作成し、バイナリで比較してみた。 読み込みは、24倍速で2回、12倍速で1回、その3ファイルを比較した。 結果は全く同じであった。
よってリッピングでは、ランダムに発生するようなデータの欠落(読み込みミス)によるノイズの心配は無いことになる。 (リッピングアルゴリズムの問題などで、3回とも、同じ位置のデータが間違っているという可能性も否定できなくはないが、、、)
全曲のバイナリ比較はしなかったが、こういったデータの内容で音質上の違いがあるとは考えられない。 一般には iPod 等、PC 経由で聞く場合がほとんどだと思うので、全く同じということになるのだろう。
比較途中で「こんな音も入っていたのか」と感じたのは、先入観によるものだったということか。(トホホ)
もしか、もしか、もしかして、、、リリース後20~30年くらいすると違いが出るのだろうか。 ディスクの寿命が2倍になるのなら値段が50%増しでも許せる、、、かもしれない。
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使用した比較アプリは下記URLにありますので、ご自由にダウンロードしてください。 起動して、比較したい2ファイルをドラッグ&ドロップして、実行ボタンです。 無音部分のズレの補正は「検索処理」ON です。
(ウィルスの問題は無いはずですが、動作も含めて保証は全く無しです。)
http://members.jcom.home.ne.jp/0146723711/temp/Differ.exe

