30代社会人、脊柱側弯症の記録

30代社会人、脊柱側弯症の記録

中1で特発性脊柱側弯症発症。32歳現在、手術を決めましたが悩みに悩んで中止。通院、その時の心境、保存療法(シュロス法、ゲンシンゲン)等について記録します。


 ゲンシンゲンが完成してから1ヶ月間の出来事について書いていきます。
 装具が手元に届いて喜んだのも束の間、待っていたのは真夏の暑さに耐える日々でした。

2025年7月

・装具生活初日(夜)
 体に装具が食い込む痛みに耐えながらやっとの思いで帰宅して装具を外すと、それまで伸びていた背ががくん、と数ミリ低くなったような感覚があり、矯正力の強さを実感しました。接骨院では、まず就寝時に装着して慣れてから日中にチャレンジするよう説明がありました。
 本当にこんな甲冑のようなものをつけて眠れるのかと半信半疑だったものの、いつもの睡眠導入剤を服用して布団に横たわると、疲れもあって朝までぐっすり眠ることができました。
 立っている時に感じた装具の痛みや苦しさは横になるとだいぶ軽減されて、翌朝目を覚ましたときには身長が少し伸びたような気分になりました。

・装具生活2日目〜5日目
 装具が届いた翌日、装具代の残金318,000円を振り込みました。減った預金残高を見て、絶対に結果で元を取ってやろうと決意しました。
 本当はすぐにでも昼からの装着を始めたかったものの、昨日のこともあり無理は禁物と学んだため、就寝時のみ装具を着けました。寝返りがしづらく、寝つきの悪さが気になりました。
  4・5日目は土日だったため自宅で丸一日装具を着けてみたところ、就寝時の装着で体が慣れてきたのか、強い痛みはありませんでした。30度超えの真夏日ではありましたが、装具の上に薄手のカーディガンを羽織って近所に買い物に行くこともできました。

・装具生活6日目〜1ヶ月
 土日に装具を着けたまま過ごすことができたため、いよいよ装具をしたまま職場へ行くことにしました。装具の上からゆったりしたワンピースとカーディガンを着ると左肩の上がりと胴回りの太さが気になったものの、自分で決めたことなので割り切ることにしました(注:あくまで当時の感想です。胴回りの太さはこの1ヶ月後の装具調整でかなり改善されました)。
 仕事はデスクワークでオフィスは寒いほど冷房が効いていたこともあり、不便はあまり感じませんでした。それでも唯一困ったのは昼食で、装具をゆるめてもお腹いっぱい食べることは難しく、通常の2/3程度の量の自作弁当を持参することに。ただでさえ一歩外に出れば倒れるほどに暑かったため、これを機にランチの外食は一切辞めました。

 家の外では装具が入る大きさの袋を常にカバンに忍ばせておいていつでも外せるように準備していましたが、「自分の意思でいつでも外せる」という安心がお守り代わりになり、苦しさはありつつも仕事中に装具を外すことはほとんどありませんでした。
 装具生活も2週間ほどで完全に日常となり、出勤から帰宅まで+就寝中で一日18時間程度は装具をして過ごせるようになりました。
 以前はデスクワークで長く座っていると左腰の側弯部分に異常な凝り・痛みがありましたが、装具により負担のかかる箇所が変わったからか夕方の腰の疲労が格段に減りました(腰痛ゼロとはいきませんが……)。

 とはいえ、装具治療もいいことばかりではありません。
 記録的な酷暑の中、食事量の減少に加えて装具をした身は少しの動作も動きづらく、階段の上り下り等も避けるようになった結果、じわじわと体力が衰えていくのを感じました。就寝中も寝苦しさで目が覚めることもあり、睡眠不足が続いていました。
 また、装具で圧迫される側弯部分は常に汗で蒸された結果、発疹ができて中々治らず、肌が黒ずんでシミのようになってしまいました。

 それでも手術を選ばなかった以上、ここで結果を出すより他ありません。装具完成から1ヶ月後の経過観察で改善の兆候がなければ、脊椎固定を受け入れるしかないのです。
 毎日の苦しい生活に、“闘病”という言葉が頭をよぎりました(そういえば、このブログも闘病ジャンルでした……)。

 次回は装具治療1ヶ月目の経過観察(レントゲン撮影、接骨院)について記録します。