食料自給率の低下について
図1から、生産額ベースの総合食料自給率もカロリーベースの自給率も穀物自給率も
長期にわたって低下している。これは、日本の農業生産がどんどん縮小してきたからなのだろうか。
そこで、表1の農業生産指数の推移を見てみる。この表によると、1980年代後半まで
農業生産指数は上昇している。特に、畜産物、果物や野菜が健闘して、農業生産全体としては伸びる結果となっている。
ところが、図1では1980年代後半までの時期についても、3本のグラフは低下している。これは国全体の消費が、国内の生産の伸びを上回って増加した結果だと思われる。
そこで、消費量の変化を表2で見ると、日本の食生活が大きく変化したことがわかる。
コメはピークが1962年で、一人当たり118Kgの消費だったが、2005年では
61.4Kgとほぼ半分、イモ類も減少した。特に肉類で8.9倍、牛乳・乳製品7.6倍
卵で4.5倍、油脂類も5.4倍。
国内生産の伸び以上に増え続けた日本の食糧消費は海外からの輸入によって支えられた。
だから、食料自給率が低下した。中でも、エサ用の穀物やゆ油脂用の大豆が大量に輸入されるようになった。
表2で、1990年代に入るころから食料の消費量はそれほど変化していない。ほぼ、日本列島が満腹状態になったと思われる。
つまり、食料自給率の分母の消費量はほぼ横ばい、けれど、図1では自給率の低下傾向に歯止めがかからない。これは一体何故!?
恐らく分子の国内生産の縮小が原因と思われる。
表1の農業生産指数の「総合」の数値は1990年を境に低下し始めている。それまで健闘していた野菜・果物や畜産物の生産が縮小傾向に転じたことの影響が大きい。
平成の食料自給率の低下は主として、国内農業の衰退によって生じている。
国内農業の衰退に歯止めをかける方策はあるのだろうか。それとも自給率の低下はこれからも続くのだろうか。次回はこの点について考えてみる。
(本文や本文中の図・表は「農業がわかると社会のしくみが見えてくる」家の光協会発行
生源寺眞一氏:名古屋大学教授から引用させていただいた)


