富士登山で思ったこと    | 企業のホームドクター「赤ひげ先生」

富士登山で思ったこと   

 61歳にして、始めての富士登山は、残念ながら、悪天候のために山頂までたどり
着くことが出来ません。しかし、今回のチャレンジ失敗は、今後の人生の道しるべにい
ろいろなことを教えてくれました。
 中でも特に印象深く感じたのは、ガイドさんの役割でした。

 富士登山を経験した人でも、天候の良い時には、「誰でも登れるよ、あんな簡単な
山」と言う人もいれば、悪天候や高山病に苦しみ、「もうコリゴリ」という人もいると
思います。勢いで、夜中に、大した装備もせずに、山頂まで登ってしまう勇敢な人たちもいま
す。
 私たちのツアーについてくれた、山登り歴44年のベテランのガイド(女性)さん
は、山の気候を知り、山独特の高山病を知り、高山に咲くささやか小さな花を知ってい
て、その豊富な経験と知識から時宜を得た、適切なアドバイスをしてくれました。
 まず、すぐに登り出さずに、2400メートルの高地に慣れること、
 なるべく大きく深呼吸をして酸素不足を補うこと、
 歩幅を小さくゆっくり歩くこと、
 刻々変わる気象条件に応じて、「雨具の前を開けて風通しを良くて」とか、
 なるべく、傾斜の少ないところを歩くようにと・・・等々
何気ないアドバイスで、若い人には物足りないかもしれないが、シニアには有効なア
ドバイスで、後からジーンと効いてくるものばかりでした。
 八合目(3100メートル)まで到達するも、風がとても強く、その撤退の決断
も、我々のメンバーの実力をみれば、納得できるものでした。
 「ここまでくれば、ここ以上に高い日本の山はないですからね」と、労いの言葉も
忘れず・・・

 それに反して、若さだけで、颯爽と登っていく若者たちもいます。彼らは、恐れを
知らず、雨の中を、風の中をちからまかせに進んで行きます。
 素晴らしいなと思いつつも、突然降り出した雨に、ぬれねずみになって、ブルブル
震えながら、山小屋に入ってくる人たちを見ると、ああ、やはり適切なアドバイスと準
備が必要だなと、つくづく感じてしまいました。
 我々がチャレンジしていた、この期間に、若い二人の青年が痛ましいことに、尊い
命を失っています。

 経営にも、タイミング良いアドバイスが、必要なのではないでしょうか!
 経営に苦しんでいる時ももちろんですが、何の問題もなく、快調に進んでいる時に
こそ、適切なアドバイスが必要であると今回感じました。
 あの山歴44年のガイドさんのように、気軽に役立つアドバイスが出来る”CDB
でありたいと、この富士登山を契機に強く思いました

                      コーディネーター 原木 眞