「図書館活用教育」先進校山形県鶴岡市立朝暘第一小学校 視察 | 宮古市議会議員 きたさんのブログ

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 北村進議員は、「読書まちみやこ」を推進する立場で議会の中で、図書館教育の在り方について、一貫して取り組んできました。図書館教育の先進校である山形県鶴岡市の朝暘第一小学校を個人視察。また東京都荒川区の教育委員会「学校図書館支援室」の取り組みについて、議会の教育民生常任委員会の委員として行政視察に参加しました。

朝の貸し出しの様

朝暘第一小2

レストランのような図書館をめざす   
「第33回・学校図書館賞」大賞を受賞

 図書館教育において「東の朝暘第一小学校」

7:45~朝の貸し出し活動の見学
8:15~読み聞かせ(本のたからばこ)・朝読書 

1校時 会議室で学校概要の説明

2校時 図書館活用の授業を参観
3校時 図書館活用の授業を参観

1130質疑応答・懇談(会議室にて)


       
子どもの生活と学習を豊かにする

~図書館活用教育~

 

「心豊かな生涯学習者」を育む図書館活動に18年間取り組んできた。レストランのような図書館をめざした図書館作りからスタートし、現在は教師も子どもも図書館を積極的に学びに活用する「図書館活用教育」を研究的に進めている。

 1人当たりの年間平均貸し出し冊数は、18年前の51冊から155へと3倍に増加した。読書量が増える中で、子どもたちは人の話をさまざまな場できちんと聞ける子どもになってきた。全校朝会、集会などでは、話や発表が始まると、すっと私語がなくなり、子どもたちの目が話し手に集中する。本や図書館を介して、子どもたちの会話がはずみ、生活を見つめ、助け合って共に歩む心や表現力が育った。そして、資料などの情報活用能力を含めた学びの力もついてきた。また、読書を通して学校と家庭・地域との連携も深まってきた。
成果

 

朝から7割の児童が本を借りる

(1)子どもたちの心や学びの力が育ってきた

  本を読むこと自体が楽しい子どもが大変増えてきた。聞く力も育ってきた。本や図書館を介して子どもたちの会話がはずみ、生活を見つめ、助け合って共に歩む心が育ってきた。資料などの情報活用能力を含めた学びの力もついてきた。

(2)組織全体で図書館活用教育を進めてきたことにより、学校の教育力が総合的に高まった。教職員が積極的に学校図書館を活用し、探求型の教育実践が多くなった。

課題

(1)読書センター機能・情報センター機能の一層の充実と活用

(2)子どもも参画した魅力ある学校図書館づくり

(3)図書館活用教育を地域に広げ、ネットワーク化

 

 登校後の朝の図書館の貸し出し活動から視察となったが、子どもたちは登校後すぐに図書館にむかい、図書館は子どもたちで溢れかえっていた。しかし、次に借りる本が決まっているのか、すぐに貸し出しカウンターにむかう子がほとんどでした。未だかつてない光景で驚きました。低学年には学校司書が対応し、高学年は図書委員会が貸し出していた。読書離れが言われている中で、本を読むのは当たり前の様子。続く授業公開では、図書館を学習センターと位置づけで、隣接されたコンピュータ室も利用しながら本を中心にして調べ学習をしていた。図書費については、文科省の交付金、市の予算とあわせ保護者の理解を得ながら図書費を徴収し、図書の購入費に充て充実した蔵書だった。

 地域や保護者の読書に関する理解と関心は高く、朝の読み聞かせをはじめ異年齢による読み聞かせなど様々な方法で活動していた。また、当校出身者である絵本作家の土屋義晴さんとの交流も毎年学習発表会での群読発表など、本に関する意識の高揚に役立っていた。

 強く感じたことは、図書館スタッフが充実していることである下記の、

 

【図書館活用教育担当】

 1.司書教諭(読書活動加配-国(文科省指定)費負担県内で唯一の加配、学級でもTT授業)

  12学級以上の司書教諭は、校内の有資格者の学級担任との兼任。)

 2.学校司書(鶴岡市の臨時職員で各校配置 大規模校は有資格 小規模校は兼務) 

 3.図書主任(学級担任の教員)

 

3人の担当者を中心に、組織的に教育活動が行われていた。翻って宮古市に当てはめると、1.専任の司書教諭は、文科省指定の加配であり実績のある朝暘第一小で、県内でも唯一の配置とのこと。専任司書教諭の配置については、状況は山形県も岩手県同様で、学校長が任命する司書教諭-ほとんどが学級担任兼任であった。

参考となるのは、鶴岡市の臨時職員である学校司書の配置で、大規模校は、図書館業務に専任し、小規模校については他の業務(例えば給食)との兼任で配置され全学校に配置されていることである。宮古市の読書支援員がモデル的に配置されたが、すべての学校に何らかの形で配置されることを望みます。

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