地理学(アフリカの食糧不足について) | CDA

地理学(アフリカの食糧不足について)

考えさせられる課題なので、ブログに残しておこう。

(3回目でなんとか合格したレポートに差し替えました)




アフリカにおける食料問題の事情(栽培方法、不足の状況、気候条件など)、食糧不足になる原因、およびモノカルチャー経済との関係について説明する。



1.基本データ・気候条件・栽培方法

まずアフリカの現状から見ていくと「世界の人口の14%、面積は22.3%、アフリカ内で難民が23.8%を占め、国土の農地は37.8%(参考:世界国勢図絵 p26,49,223)」である。そして「UNDPが公表しているHPI(人間貧困指数)はニジェール、ブルキナファソ、マリ、チャド、エチオピア(参考:世界国勢図絵 p459)」の飢饉ベルトと呼ばれるサヘル地方が世界で最も貧しい国として下位を占めており、「1歳未満の死亡数は、先進国で1000人中約5人に対し、ニジェールでは1000人中152人(参考:世界国勢図絵 p464,465)」となっている。サヘル地方は「雨季中でも降雨が不規則で年間降水量が150500mm(参考:京都大学土壌学研究室のホームページ/西アフリカ・サヘル地域における牧畜民フルベの生業活動と農耕民とのかかわり)」と極端に雨の少ない地域であり、農業経営としては農耕と牧畜が中心である。現在の食料生産量は、ここ30年間で毎年2%増となっているが、人口の増加については衛生面の改善による死亡率の低下と、出生率の維持から「平均2.2%、最も高いザンビアでは4.4%(参考:世界国勢図絵 p63)」となっている。また、「グリッグの1985年のデータによると、南アフリカとエジプト以外の熱帯アフリカの耕地面積当たり穀物生産量(kg/ha)と農業従事者1人当たりの穀物生産量(トン)は、いずれも世界平均の50%以下(参考:経済地理学入門 p20)」となっている。「2004年ニジェールではバッタの大群により作物を食べられてしまい、かつ雨量が少なかったため農民も家畜業者も大きな影響をうけた。ニジェール政府によると穀物不足は223,448トン、飼料不足は4,642,219トン(参考:ユニセフホームページ/ニジェール食糧危機)」にものぼったとされる。



2.問題点・食糧不足の原因とモノカルチャー経済との関係

「世界では人々が食事をするのに十分すぎる食糧(一人あたり356kgの穀物)が生産されている(参考:JanJanNews/新・食糧危機~飢餓の新しい局面~)」のに関わらずなぜ平等に分配されないのか。そしてアフリカ国民の大部分が農民なのに関わらず、なぜ食糧不足となるのか。それはモノカルチャー経済、紛争、ODAによる援助減、自然災害(飢饉、害虫など)、人口増、「食用作物がバイオ燃料に利用(参考:JanJanNews)」されるなど様々な要因が考えられる。

まず、モノカルチャー経済のはじまりは「1884年のベルリン会議(参考:外務省ホームページ/アフリカが直面する課題とわが国の対アフリカ外交)」によるアフリカの植民地分割からである。ここで欧米の工業や食料のための原材料の生産地として、「コーヒー、バナナ、砂糖、パーム椰子(参考:ほっとけない世界の貧しさ)」など主食となりえない物の生産が強制された。この生産地は別名プランテーションと呼ばれるが「プランテーションは今なおもドール社、モンサント社、デルモンテ社などに引き継がれている。その結果途上国では地元の人たちが食べるものは生産されず、生産されるものを買うことも出来ない。またアフリカのカカオ農園で働く子供たちはチョコレートなど見たこともない。(参考:JanJanNews)」といった現状である。そして、「世界の穀物価格はシカゴ穀物取引所で穀物メジャーによって決定されるが、穀物メジャーは米国政府を通して世界の農業を支配、それにより米国の輸出補助金は維持され、米国は大量生産された安価な農産品の輸出を進め市場支配を拡大した。(参考:JanJanNews)」また、「穀物価格の急騰の背景には投機資金の流入の問題がある。(参考:JanJanNews)」ように先進国の先物取引による金儲けが大きい。穀物メジャーが農業市場を支配することで、アフリカ国民が主食を購入できず、結果飢えの原因となっている。「欧米は政治力をもって自由化ルール(ダンピングも補助金もダメ)よりも緩いルール(一部認可)にした。(参考:ほっとけない世界の貧しさ)」がこれが途上国の農業を破壊してしまった。

次に紛争の種類として「部族対立、資源争奪、宗教対立、国境紛争、権力闘争、開放・独立戦争、兵士への給与未払い(参考:外務省ホームページ)」が中心となる。なぜ紛争が起こるのか?たとえば「シェラネオーネ内戦(参考:外務省ホームページ/アフリカが直面する課題とわが国の対アフリカ外交)」のようにダイアモンドの支配権争いや、エリトリアとエチオピアの紛争のように「当初ブルを利用していたエルトリアが新通貨ナフを導入したことによる経済格差の広がり(参考:紛争絶えないアフリカの遠い夜明け)」など多くの原因としてやはり金銭問題であると考える。

最後にODAによる援助減は、「東西冷戦では両陣営から援助合戦の要素が強かったが、終焉後は戦略的価値が低減(参考:外務省ホームページ)」したことで援助金が減少、さらに「東欧や中央アジアへの援助需要が高まり、アフリカにとって競争相手が登場したこと(参考:外務省ホームページ)」も貿易を不利にしている。また、「いくら援助しても改善されないことから、援助疲れ(MARGINALIZATION(参考:外務省ホームページ)」の状態にある。


3.結論

以上のように、原因は一つではなく様々な事象が絡み合っている。たとえば食糧不足の原因は地域毎で異なり、サヘル地方は自然災害の影響が大きく、その他の地域ではモノカルチャー経済が大きい。次に食料生産率を考えたとき4%以上に増加させる必要がある。現在のアフリカはアジアやヨーロッパと比較した場合、農地利用率が低く、単位面積あたりの収穫量が少ない。そのために農地利用率を高くし、単位面積あたりの収穫量を増やすこと、第二次世界大戦後のアジアのように化学肥料の導入、「ネリカ米」などの新品種、灌漑の整備、休閑の長い土地の利用が必要である。しかしながら、食糧不足の根本原因を考えたときモノカルチャー経済の影響が大きいため、何よりもこの改善が必要である。途上国より安い農産品が先進国から輸入されることにより、途上国の国民は自分で作ったものが自分で食べられず輸出専門になっている。かといって市場に出回っている主食の穀物は高すぎて買えない。モノカルチャー経済は巨大なビジネスとして先物取引に利用され、それに連動してダンピングが行われている限り、途上国の飢餓は減らない。

したがって貿易の公正化をしない限り、アフリカの食糧不足は解消されることはないと考える。

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