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『これで いいのだ』

  『私は貝になりたい』 <<< あらすじ >>>

第二次世界大戦中、高知県で理髪店を営む清水豊松(フランキー堺、リメイク版では所ジョージ)が突然、軍隊に召集されるところから物語は始まる。豊松は気は弱いが平凡な人柄。

豊松は、新兵の訓練で上官に命令されてアメリカ兵捕虜を銃剣で殺害しようとするが、気後れして怪我を負わせただけにとどまる。

終戦後、理髪店に戻って、いつも通りに仕事をこなしていた豊松だが、捕虜虐待の罪で戦犯として特殊警察に逮捕される。極東国際軍事裁判(横浜裁判)で被告席に立った豊松は「日本の軍隊では上官の命令に逆らえば命はないんだ」と主張するが、「拒否しなかった事は殺す意思があったという証拠だ」というアメリカ流の論理に跳ね返され、豊松に死刑判決が言い渡される。

死刑執行の宣告を受けた豊松は、妻と子供に宛てて遺書を書き始める。

「せめて生まれ代わることが出来るのなら……
いゝえ、お父さんは生まれ代わっても、もう人間になんかなりたくありません。
人間なんて厭だ。牛か馬の方がいゝ。
……いや牛や馬ならまた人間にひどい目にあわされる。
どうしても生まれ代わらなければならないのなら……いっそ深い海の底の貝にでも……
そうだ、貝がいゝ
貝だったら、深い海の底の岩にへばりついているから、何の心配もありません。
兵隊にとられることもない。戦争もない。
房江や、健一のことを心配することもない。
どうしても生まれ代わらなければならないのなら、私は貝になりたい……」


書き終えた後、処刑台に上がって処刑される。