2024/7/16 色で旅するハワイ② | 福山機長の夜間飛行記録

福山機長の夜間飛行記録

月曜日から金曜日までの毎晩放送されるラジオ番組"JET STREAM"のうち、福山雅治機長のフライト部分を文字に書き起こして写真を貼り付けただけの自己満足ブログです。(※特定の個人・団体とは一切関係ございません。)

JET STREAM・・・作家が描く世界への旅。


今週は、旅行作家・山下マヌーと、自然写真家・高砂淳二によるフォトエッセイ『色で旅するハワイ』より、一部編集してお送りしています。


今夜は、その第2夜。


ハワイの光に、ピンク色は実によく映える。


今宵はあなたを、目と心に効く癒しの色、ハワイのピンクの旅へ、あなたをお連れします。


番組WEBサイトでは、高砂淳二が撮影した写真も、ご覧いただけます。


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これほどまでに、ピンクの似合う場所は、ハワイの他には無いと思う。


ピンクのビーチというのは、他にもあるし、行った事がある。


メキシコのカンクーンのとある海岸は、長い年月の間に砕かれた、ピンクのコンク貝が砂と混ざって、ビーチを淡いピンク色に染めていたし、ジャマイカのサンスーシ・ビーチも、ピンクがかった美しい砂浜だ。


だけど、街ではどうだろう?


街中でも、これほどピンクがマッチする場所は、他に無いと思う。


ちょっと話は逸れるのだけど、10年ほど前の事。


横浜の田園都市線のとある新興住宅地で、ピンク騒動というものが、起こった。


うろ覚えの当時の新聞記事を思い出せば、静かな住宅地に突如として現れた、外壁がピンク色に塗られた建物。


それに驚いた近隣住人が、


「ピンク色の建物など、まかりならん!


下品だし、環境破壊も甚だしい!


住民は迷惑しているので、即刻色を変更すべき!」


と、大騒ぎ。


そんな、内容だった。


残念ながら、その後このピンクマンションの結末がどうなったのかは、知らない。


だけど、騒動を起こした住人たちは、ハワイでもやはりピンクを避けるのだろうか?


ピンクで塗られた、別名「ピンク・パレス」ロイヤル・ハワイアン・ホテルに近寄る事など、全く考えられないのだろうか?



[ロイヤル・ハワイアン・ホテル]


おそらく、答えはノーだと思う。


ハワイの光線に、ピンクは実によく映えているし、下品とか環境破壊だとか、そんな言葉とは無縁。


それに、ハワイのピンクはあまりに街に溶け込みすぎていて、ピンクの存在に気が付かない事だってある。


それだけ、ハワイがカラフルな色に溢れている証拠では、ないだろうか?


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ハワイで見るピンクは、旅人を和ませてくれる役割を、持っているように思う。


移動途中の味気ない道路に、まるでアクセントのように咲いている、ブーゲンビリア。


この鮮やかなピンクは、ドライバーの目を和ませ、退屈な運転から救ってくれる。



[ブーゲンビリア]


ハワイには何度も行っているのに、ブーゲンビリアの事をほとんど知らない、という事に気付き、いい機会なので、花の本の類を読んでみた。


すると、本来野生のブーゲンビリアとは、街中で見かける程度しか生えない、らしい。


ところが、ハワイでは気候がいいので、どんどん育つ。


大木に絡みつくように伸びて生えているその様子は、まるでブーゲンビリアの巨木のようにも、見える。


住宅の庭先や、ホテルの中庭。


プールサイドの植え込みや、レストランの窓越し、あちらこちらで見る事ができる、ハワイを代表する花、ブーゲンビリア。


街を彩ると共に、その存在に気付き、立ち止まった旅人に、


「あなたは、とても魅力的ですよ」


と、自らの花言葉を投げかけ、癒してくれているかのようでも、ある。


【画像出典】