『JET STREAM』
作家が描く世界への旅。
今週は、自然写真家 高砂淳二のフォトエッセイ集『夜の虹の向こうへ』より、一部編集してお送りしています。
今夜はその第5弾、第3夜。
ハワイに伝わる伝説、夜の虹の撮影に成功した写真家は、虹を巡る旅を続けていた。
そしてその先には、ハワイの知恵ホオ・ポノポノが、待ち構えていた。
『JET STREAM』の番組WEBサイトでは、高砂淳二が撮影した写真も、ご覧いただけます。
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神殿の前に広がる海に入って清めると、早速アカさんは、ホオ・ポノポノの事を話し始めてくれた。
「ホオ・ポノポノは、今は人と人の事だけだと思われがちだけれど、本当は自然とのホオ・ポノポノ、神とのホオ・ポノポノ、人とのホオ・ポノポノ、そしてその人自身の中でのホオ・ポノポノなど、元々はもっと大きなものなの」
その基本は、コミュニケーションなのだという。
例えば、自然とのホオ・ポノポノなら自然に語りかけ、自然に対して犯した過ちへの赦しを請い、感謝し、アロハを持ち、自然に対して自分をポノ、つまり正しい状態に戻していく。
自分自身とのホオ・ポノポノなら、自分自身の様々な過ちを赦し、自分を慈しみ、自分にありがとうを言い、自分が本当にしたい事に、素直に耳を傾けていく。
アカさんはまず朝起きると、ベッドから出る前に、スピリットに語りかけるとの事。
スピリットは、人やその他の全てを作った親のようなもので、こちらが信頼してコミュニケーションを取る事で、だんだんその存在が、よく感じられるようになるのだという。
[スピリット]
そして、スピリットとホオ・ポノ(正しい状態)に戻していく事で、ますます自分がピュアになり、スピリットとの絆が深まって、生活や孤独、金銭的な事など、全てに対する恐怖が無くなってくるのだそうだ。
こういった作業は、やはり一生していかなければいけない事であり、自分たちは大きなものに守られている、という事を知っていく道でもあるようだ。
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夜の虹を巡って出会った人たちに見てきたものの中で、僕らと大きく違うのは、やはり見えないスピリットへの信頼感であり、そのコミュニケーションの深さであるようだ。
そして興味深いのは、周りに対して、自分が何かを受け取るのではなくて、こちらが敬意を払ったりする事が、まず初めにあり、その鏡として周りの状況が映し出され、バランスが取れたポノの状態になっている、という事だ。
そんな、感謝、敬意、アロハ、赦す事などは、どれも同じ方向を向くような、一つになるような方向の言葉だ。
そんな生き方が、周りの環境を好転させる、不思議な威力を持っているのかもしれないな、と改めて思った。
ちなみに、ごめんなさい、赦してください、愛しています、ありがとうの4つの言葉を唱えると、物事が好転するという、ホオ・ポノポノについて聞いてみると、
「言葉というのは、凄いパワーを持っているから、それだけでも効果はあるし、ある気付きはもたらすわ」
との事。
虹を巡る旅の先には、こんなにも大きく、大切な知恵が、待ち構えていたのだ。
【画像出典】

