ハワイ諸島には、オアフ島やハワイ島といった8つの主だった島々があるが、小さな島や岩礁を数えると、130を超えるという。
ココナッツアイランドも、その1つだ。
ココナッツアイランドがあるのは、ハワイ島で最も大きな町ヒロ。
ヒロの街の沖合に浮かぶ、野球のグラウンド程の小さな島。
現在は橋が架けられ、観光客でも歩いて渡る事ができる。
[ココナッツアイランド]
ここはかつて、ハワイの言葉で"モク・オラ(癒しの島)"と呼ばれた島。
この島には昔、癒しを司る"カフナ(神官)"が住んでおり、病を治す癒しの儀式が行われていた。
また、この島に逃げ込んだ罪人は、王族でも手が出せない場所。
神官の行う癒しの儀式によって、罪から逃れる事ができたという。
先週"逃れの地(プウホヌア)"を紹介したが、このココナッツアイランドも、日本の駆け込み寺のような場所である。
ここが、"聖なる力(マナ)"が得られるという理由は、この島のすぐ先に、その周りから淡水が湧き出る岩があるからだ。
病にかかった者や罪を犯した者は、泳いでその岩を1周する。
病が重すぎて出来ない時は、付き添ってきた者が代わりに1周する。
その間、神官が神に祈りを捧げると、病や罪から癒されたという。
ハワイの王族や神官達は、子供が生まれると、その子の健康と安全を、ここに秘められた聖なる力に守ってもらうために、へその緒をこの島に隠したという。
週末には家族連れで賑わう、このココナッツアイランドからヒロの街を眺めると、潮風が心地よく、確かに癒された気分になる。
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