二つ目のコラムはニッカンスポーツ寺尾博和記者のコラムです。

寺尾記者は2002年野村監督の後任として阪神が星野さんを要請することをいち早くスクープした記者さんです。

当時の久万オーナーの心を掴みオーナーの自宅でオーナーの真意を読み取りました。

星野ジャパンのニッカンスポーツの担当者で星野さんをよく知り、球界に精通した現場主義の方です。

そして前回ブログで書いた5/20放送ラジオ番組の2番手に質問した記者さんでこのラジオ番組の収録日(2010年4/26)に星野さんに会ったことについて書かれています。

星野さんと寺尾さんが会ったその日(2010年4/26)ニッカンスポーツが「星野監督復帰」という一面の記事を載せました。

前日に大阪であったトークショーで星野さんが言ったことを受けての内容です。(詳しくは10/4付当ブログをご覧下さい。)

②「闘将復帰」 記:寺尾博和 記者

【いやな予感は的中するものだ。ニッカンスポーツに「星野監督復帰」の大見出し。

朝から気が重かった。08年北京五輪の惨敗以来、この人の動向が一面で報じられたことはない。2年ぶりの登場だが、いかにもタイミングがまずい。

本人に会う日に、この紙面は刺激が強すぎる。その日約束の場所にたどり着き、玄関前の植木鉢に腰掛けた。

おそらくお怒りで、その応対を想定するためだ。

(いやー、土産もなしに会えませんから)
(挨拶代わりの一面でして…)
(こんなのウソですよね?)

結論からいうと、徒労に終わる。
目が合った瞬間、カミナリが落ちた。
「てめぇ、なんだ、お前んとこの一面は!!
だれだ責任者は!!」

ガツン!!ドカン!!

ソファに座ったその人は今にも蹴り上げんばかりの勢いで目をつり上げた。

「お前んとこは、ほんとに分かっていない。真弓(監督)が、必死に戦ってるのに、俺の名前なんか出しやがって!!

だからニッカンはダメなんだ!!」

でもこんな時、目をそ
らしてはいけないと思っている。
僕は父親から教わったケンカの仕方が身に染みついている。
~中略~

星野さんの本気で怒鳴ってくる姿はどこか人を惹きつける。

しかし僕はちょっとお怒りモードが冷めたところで切り返した。

「確かに、真弓監督にとっては迷惑でしょう。今まさに戦っているわけだから。でも、なにも阪神って書いてない。

うちは阪神監督になるって言ってない!」

ただ星野さんはメディアの構造、取材、記事の仕立て方を知り尽くしているから、もはやそれぞれ言い訳をしたこの時点では打ちとけている。

この人は北京の屈辱をどこかで晴らしたいと思っているはずだ。
ずっとそんな気でいた。だからニッカンの報道は嘘ではない。

星野さんが怒るときは“本気”だという証拠なのだ。

続けざまにその口から出てきたセリフがこうだ。

「俺はなにも12球団OKなんて言ってない!」

それだけで十分です。
先ほど僕は、
「すみません」と告げたが、最後は
「ありがとう」に変わった。ひと言だけ耳打ちして別れた。
なにを?
それは秘密にしておこう。】

ブーケ1私見ブーケ1

私は星野さんは本当は愛してやまない縦縞のユニフォームを着て、勝負したいと思っていると感じています。それが本心だと…。

寺尾記者は星野さんの縦縞への愛をよくご存知だから敢えて
「阪神の(監督)って書いてない」と言ったのだと思います。

そして最後星野さんの真意を暗に引き出しました。

星野さんは子供の頃からタイガースファンで、特に村山実さんの大ファンでした。(村山さんについて星野さんが書かれたコラムは機会があれば後日記載します。)

皆さん覚えていますか?
星野さんがタイガース監督に就任して間もない頃、縦縞を着て藤村富美男氏と村山実氏の墓前に手を合わせに行かれたことを。
ユニフォームを着て。

藤村さんが晩年甲子園で球団職員に藤村さんと分かってもらえず止められたことを心痛めておられていました。

阪神で球界OBの始球式が多くなったのは星野さんの提案です。

選手には福祉活動を促し、お墓参りや感謝の気持ちを持つことの大切さも問いました。

私は星野さんには監督に復帰してほしい。
できれば愛するタイガースの。

2009年11/1付で阪神の編成部課長に就任した福田功氏は星野野球をよくご存知の方で阪神の星野監督復帰は実現すると信じていました。

安藤前OB会長の意向で田淵OB会長が就任し、阪神復帰は信じてやみませんでした。
楽天に要請されることは事実のようですが、どうなるのでしょうか?

今日寺尾記者は朝のTV番組で「世間では楽天星野監督誕生だと言われていますが楽天移籍の可能性は50%と見積もりされていました。
星野さんは阪神への愛を貫きたい気持ちがあって、それを汲むと60~70%は阪神に残りたいのではないか。とのことです。

星野さんは阪神に必要な方です。
村上ファンド問題の時は星野さんはファンの気持ちを汲み、できる範囲で戦ってくれました。

私はどうなるかに関わらず、星野さんの決断を尊重したいと思っています。

もしも阪神球団が断固とした態度を示さないなら、それは甘い球団だと思います。
阪神の出方次第だと思います。

星野さんにはいざという時の為に残ってもらうべきだと思います。
来季から、とばない球が使用されます。
阪神は今のような打ち合いに強いチームでは来季は厳しいと思います。

星野野球とは投手起用に重点を置き、まさに守りの野球です。ホームランは計算しないという考えをお持ちです。
またバントのような野球独特の犠牲の精神を大切にし、基本的に繋ぎから相手を攻める野球です。
投手のノーアウトからの四球やバントの失敗は絶対に許しません。

自分の采配についても厳しく選手にも厳しい。
しかし、
深い愛と情熱があるのです。
だから好きでした。

阪神タイガースはこのような人物を離してしまうのでしょうか?