一部専門誌などでは早くから指摘があったのですが、ここへきてついにヤフーのトップページでも報道されるなど、オリンパスの経営状態に深い疑念が持たれています。
本件を元相場師のサクラがわかりやすく解説します。
オリンパスのメイン事業は内視鏡などの医療機器関連で、売上総額一兆円越えてる時期もありました。
直近ではちょっと落ちていて8500億前後の事業規模です。
一般消費者にはデジタルカメラやICレコーダーも有名ですが、事業構成比では医療機器関連が主です。
直近ではちょっと落ちていて8500億前後の事業規模です。
一般消費者にはデジタルカメラやICレコーダーも有名ですが、事業構成比では医療機器関連が主です。
(1)2008年、英ジャイラス社を買収。
ジャイラス社は年商500億前後で収益率も高く医療機器メーカーでオリンパスのメイン事業と関連が深いです。また、ジャイラス社の資産は1000億ありますが、そのうち600億はジャイラス社が以前に買収した企業の未償却ののれん代です。のれん代は企業買収したときの買収金額と実質資産との差額。プレミアや期待値みたいなもので、それだけを換金することはできないものです。なので、ジャイラス社の実質の資産価値は400億前後となります。
見かけの規模と実質がかなり乖離があって注意しないといけません。
ジャイラス社は年商500億前後で収益率も高く医療機器メーカーでオリンパスのメイン事業と関連が深いです。また、ジャイラス社の資産は1000億ありますが、そのうち600億はジャイラス社が以前に買収した企業の未償却ののれん代です。のれん代は企業買収したときの買収金額と実質資産との差額。プレミアや期待値みたいなもので、それだけを換金することはできないものです。なので、ジャイラス社の実質の資産価値は400億前後となります。
見かけの規模と実質がかなり乖離があって注意しないといけません。
オリンパスはジャイラス社を2000億円で買収しました。資産価値1000億円の会社を2000億で買ったのですから、新たに1000億ののれん代が付いてしまうことになりますが、ジャイラス社には初手から600億ののれん代が含まれているので、オリンパスが負担するのれん代は二重にかかり全部で1600億となります。
実質400億を2000億で買ったことになり、猛烈に割高に思えますが本業と関連している企業の買収なのでこれが不当行為なのかどうかは微妙といえば微妙。
なお、オリンパスはこの買収を実施するときに金融コンサル2社にアドバイス料やオプションを支払っています。普通、こういった案件のアドバイス料の相場は買収額の1%前後といわれていますから、せいぜい数十億程度を見込んでおくのですが、オリンパスはわけのわからないオプションなどを含めて700億近く(買収額の30数パー)支払いました。
結局、実質400億の会社を買収するのに実質2700億のコストが掛かりました。
なお、莫大なコンサルフィーを受け取ったコンサル会社はケイマン諸島にあった聞いたこともない会社で、オリンパスからカネを受け取ったらとっとと店を畳んでしまいました。ちなみにケイマン諸島は所得税・事業税がかからない、いわゆるタックスヘイブンとして有名です。
オリンパスに聞いてみましたら「取引が終わった後の相手先のことはわからない」といっています。
なお、莫大なコンサルフィーを受け取ったコンサル会社はケイマン諸島にあった聞いたこともない会社で、オリンパスからカネを受け取ったらとっとと店を畳んでしまいました。ちなみにケイマン諸島は所得税・事業税がかからない、いわゆるタックスヘイブンとして有名です。
オリンパスに聞いてみましたら「取引が終わった後の相手先のことはわからない」といっています。
怪しいですよね?
(2)2008年、非上場3社を買収
オリンパスはアルティス、ヒューマラボ、ニューズシェフという非上場の3社を買収を実施しました。
3社合わせてもせいぜい年商数億以内の事業規模で資産も大してありません。オリンパスから見ればほとんど誤差のようなレベルで、なおかつ、産廃、タッパー(仕出し弁当みたいな器)、病院内での通販などを主力としており、高度なオリンパスの本業とは関連が薄いです。というか、ほとんど関係ないです。
オリンパスはアルティス、ヒューマラボ、ニューズシェフという非上場の3社を買収を実施しました。
3社合わせてもせいぜい年商数億以内の事業規模で資産も大してありません。オリンパスから見ればほとんど誤差のようなレベルで、なおかつ、産廃、タッパー(仕出し弁当みたいな器)、病院内での通販などを主力としており、高度なオリンパスの本業とは関連が薄いです。というか、ほとんど関係ないです。
これらを事業計画上「3年以内に大きく利益が見込める」ということにして730億で買収しました。
本当に目論見どおりの利益が出ていれば本業と関連が薄くても悪くはないですが、実際には買収後3年を経過しましたが、当然にして売上、利益ともオリンパスへ貢献するに至っておらず、莫大な営業資金を注入したうえ、評価額の大部分を減損処理します。
この莫大な水増しはいったい何なのでしょうか?
本当に目論見どおりの利益が出ていれば本業と関連が薄くても悪くはないですが、実際には買収後3年を経過しましたが、当然にして売上、利益ともオリンパスへ貢献するに至っておらず、莫大な営業資金を注入したうえ、評価額の大部分を減損処理します。
この莫大な水増しはいったい何なのでしょうか?
ちにみにこの3社の主たる事業所の所在地は同じです。
は?怪しいですよね?
なお、(1)、(2)の買収は以前に双日(旧日商岩井)グループだったITX社をオリンパスが買収して子会社化し、ITXを通じて買収が行われている為にわかりにくくなっています。
(ITXは以前は上場していましたが現時点では上場廃止しています)
(ITXは以前は上場していましたが現時点では上場廃止しています)
(3)新任社長の解任
で、これら買収に関わることが4月から社長になったマイケルウッドフォード氏が認識しておらず、これはおかしいだろということで、外部監査に調査以来を投げたら「多々おかしいです」との結果が得られた為、オリンパス会長らに説明と責任の追及を突きつけたところ、逆に役員会で社長を解任されるというドタバタになりました。今の社長は会長が兼務しています。
マイケルウッドフォード氏は社長を解任されましたが、株主総会を経ないで勝手に取締役を解任できないので、一般の取締役には残留している形となっています。
で、これら買収に関わることが4月から社長になったマイケルウッドフォード氏が認識しておらず、これはおかしいだろということで、外部監査に調査以来を投げたら「多々おかしいです」との結果が得られた為、オリンパス会長らに説明と責任の追及を突きつけたところ、逆に役員会で社長を解任されるというドタバタになりました。今の社長は会長が兼務しています。
マイケルウッドフォード氏は社長を解任されましたが、株主総会を経ないで勝手に取締役を解任できないので、一般の取締役には残留している形となっています。
猛烈に怪しいですよね?
この騒動でオリンパスの経営には疑惑の念が持たれ株価は一気に半分以下に落ちました。

現時点では犯罪行為などがあるのかどうかわかりませんが、なにか重大な悪いことを隠していて取り繕う為に不可思議なことをしているのではないかと疑念をもたれるのは無理もないです。
オリンパスの主力事業である内視鏡は優秀で世界シェア70%もありますから、これですぐに倒産にはならないと思いますが、ちゃんと説明をしないとブラック企業のイメージとなり、デジカメなどの個人向け事業からは撤退せざるを得ないなど事業再編の可能性はあります。
あと、裏で誰かが私腹を肥やすような不正的な行為があったり、会計に粉飾があるようなことがあれば株主代表訴訟や上場廃止、あるいは執行部総退陣などはありえます。
今後の報道やオリンパスのIR情報に注目!