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ビルの向こう側に太陽が落ちるところです。

作例では空がオレンジ色になって、ビルの階調も潰れずに残しています。
実際に見た感じではもうちょっと明るかった感じでした。

日没少し前とはいえ、雲の無い快晴の空の明るさは相当なもので、空が白トビしないように露出を抑えるとビル郡は真っ黒に潰れてシルエットになります。
逆に、ビルの階調をしっかり出そうとすれば空のオレンジは薄くなり、太陽の周辺近くは大きく白とびが発生します。

この場面で普通の撮り方では空とビルの両建てはなかなか難しいです。
※両建てのやり方は準備が出来たら改めて記事にします

一般的には夕景らしさを優先して、空のオレンジを残すように撮れればまずまず成功ではないでしょうか。
その場合、おそらくビルはシルエットになってしまいますが、うまくやれば結構面白い絵になると思います。

高層ビルの展望室などに登って夕景を撮影してみたところが、色が薄くてどうも気分が出ないなぁ、と思ったら次のようなポイントに注意してみるといいと思います。

・露出の決め方

プログラムオートやなんたら優先オートなどの自動露出になっている機種(普通はそのくらい付いてる)では、カメラを多少上に向けて空を多めに入れると、その時点でもうビルはシルエットになっていると思います。
それでもまだ空が明るすぎると感じたら露出補正をマイナス側にかけます。これで色が濃く写るようになります。
コンパクトデジカメでも同じやりかたでOKです。
測光方式が選べる機種のではは中央重点測光か評価測光(パターン測光、多分割測光)でOKです。スポット測光は慣れていないと鋭すぎて難しいかも知れません。

・ホワイトバランスの決め方

夕景ではオートホワイトバランスがもっともつまらない決め方です。
オートにするとせっかくのオレンジ色が自動補正されて白っぽくてつまらない、昼間みたいな絵が撮れます。
夕景らしいオレンジの色かぶりを出すためには、ホワイトバランスを太陽光(昼光)にします。これで補正の掛からないニュートラルな状態です。
更にオレンジを強調するなら曇り、日陰などのモードをを選ぶとよいでしょう。ただし、やりすぎると不自然な絵になります。
フィルムカメラでしたら一般的なデーライトフィルムを使うだけでOKです。

・構図の決め方

これは人それぞれですが、夕景ではビル少な目、空多めでイイと思います。ビルがシルエットになる場合、ビルの部分が多いと真っ黒い部分ばかりの絵になってしまいます。
あと、欲張って広角レンズを使うと、広く写るのはいいのですが、ビルの高さが平均化して意外と真っ平らな感じになり、太陽も遠くてちいちゃくなっちゃいます。あれもこれもと欲張らないで、絵の中でポイントになりそうな建造物と太陽の位置関係を配慮して決めるとよいのではないでしょうか。

なお、日没直後や完全な夜景では撮り方のポイントは変わります。
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ロケ地 東京都中央区 聖路加タワー展望室(←無料)
左に東京タワーが見えていますが、その少し左側には富士山も薄く見えています。