話シリーズです。
概ね実話に基づいていますが再構成しています。
--

「このカメラは時々色がおかしくなるな、修理が必要かもしれん・・・」

ぉ、どれどれ?
ただ単にホワイトバランスの問題かもしれないよ。
設定値は???

フムフム、色温度5500ケルビンのダイレクト指定か、すごいな。
どうしてこの設定を決めた?

「サクラのブログに書いてあった・・・あとはメーカーの取扱説明書を見て・・・」

ひぃ~、まぢすかーっ!この設定値はそのときそのときで変えないとダメな値だすよ。
しかもココの設定で撮れる写真の色味が変るって知ってた?

「そうなんすかぁ?でもず~っとそのまんまだけど、普通に撮れるときもあるよ」

まぁまぁ、、、5500ケルビンだと太陽光にほぼ近いから昼間に外で撮ればそこそこには撮れますか・・・取扱説明書を見たのは偉いけどさ、もうちょっとよく読もう。w
とりあえずカメラは壊れてないと思うので修理は必要なさそうだよ。

「で、簡単に直る?」

直るというか、壊れてないってば。w
ぢゃあ、とりあえず直す(苦笑)前にホワイトバランス自体の説明しておくか。

ホワイトバランスは超簡単に言うと”白い物を白く写す”ための設定。

「普通に撮ればそのまんまの色で写るンぢゃねーの?」

まぁそりゃそうなんだけどさ、光源によっては色味に偏りが出て赤味掛かったり青味掛かったりすることがある(色かぶり)。
光源には色温度(しきおんどorいろおんど)ってのがあってそれが影響している。

「うむ、で、光源とは?」

太陽の光とか蛍光灯とか、撮影するその時々の光の種類と思えばいい。ストロボの光も光源の一種となる。
光が含んでいる成分によって色味が変るので撮影時に補正する必要が出てくるよ。

「うへっ、めんどくせーな、露出だけでも面倒なのに光の種類も影響すんのか」
「それに部屋で窓でも空けてれば太陽と蛍光灯と混ざるんぢゃねーの?」
「だいたい、みんなそんなに面倒な撮り方してんのかぁ?」

わはは、キッチリ考えると確かに面倒だね。でも、ぶっちゃけて言うとその辺は適当にやっている人が多い。カメラにオートホワイトバランスというのがあって、混ざった光もカメラ(の画像処理エンジン)が適当に補正かけてくれる設定もある。

それか、カメラには光源の種類を任意に選択するアイコンがあるので、だいたいコレが近そうだっていう感じで太陽光とか電球とか適当に選ぶこともできる。
このアイコンにはそれぞれ対応する色温度(ケルビン)があって、光源ごとの色温度を覚えなくても適当に使えるようになっているね。
実際、それで多少思った色と違って撮れたとしても、パソコンでチョイチョイって直すこともできるからね。

なので、カメラ任せのオートホワイトバランスか、光源が判ればそれをアイコンで指定するのがノーマルな撮り方。

あとは、もっと厳密に撮りたい人の為にホワイトバランスの白セットという方法もある。
複雑なミックス光で光源の種類を特定しにくいとか、オートの色味が気に入らないとか、そういうときに使います。

できればポートレートなど人物撮影では白セットまでやったほうがいい(特に室内撮影)。
何故なら人の目(というか人の脳の反応)というものは、人間の顔に関しては特別処理しているらしく、表情や色具合に関しては非常に敏感に感知するようになっているらしい。
なので、ほんのちょっと緑がかぶっているだけでも猛烈にキモイと感じるポートレートが出来上がってしまいます。

これが無機質な人工物や、大して重要でもない風景なら多少色味が変でもまぁ実際もこんなもんなのだろうと許容できる場合があります(程度問題ですが)。

さっき、ホワイトバランスの光源のアイコンについてそれぞれ色温度が対応するという説明をしたんだけど、実際の色味は色温度を合わせただけでは適正にならないことがあって、白セット操作では色温度だけでは補正しきれない色かぶりも調整してくれるんだ。←機種によるかも

なので、オートホワイトバランスや、光源にあわせたアイコンを選んでいるのに色味がどうもおかしいと感じたら、白セットを試してみるといい。

白セットは、カメラに対して”コレが白ですよっ”てモロに指し示す操作になります。

実際の白セットの操作はメーカーによってマチマチなんだけど、ミノルタ系列はこんな手順。
1.WBレバーをカスタムにセット
2.WBボタンを押下
3.スポット測光サークルを白い物(白く撮りたい物)にあわせる
4.レリーズする(ピントと露出は適当でいいのでPモードかなんかにしておけば十分)

たったコレだけですが、色かぶりはキッチリ調整されます。

ちなみにその他のメーカーの操作方法はココまで簡単ぢゃないことがあります。
液晶メニューからピロピロめくって機能を呼び出したり、撮影済の画像を選択したりとか、かなり繁雑なことがあります。白の狙い方もスポット測光サークル内ではなくてファインダー全体を覆う事が必要だったりして、広角レンズなどではとても使いにくいです。

取扱説明書で言えば、ミノルタ系列の取扱説明書ではたった1ページ半、オリンパスに至ってはたった半ページでエラーの対処まで含めて記述されていますが、大手某社の取扱説明書では13ページに渡りダラダラと記載されています。

機能自体が違うとはいえ、よく使う機能は簡単に済むに越したことはないので、大手メーカーにはもっと研究していただきたいところです。

完全に脱線ですが、白セットの操作が繁雑な件は、某N社やC社にはそれぞれ直接出向いて訴えたことがありますが、確かに直感的な操作ではなく解り難いということには概ねご理解頂けました。

まぁ、CもNも超大企業なので末端のショールームのひとつくらいで意見が吸いあがったところですぐに商品に反映されるほどの小廻りはきかないでしょう。

「で、結局ホワイトバランスは常時オートでOK?」

ズルッ・・・ズッコケた。

まぁいいか・・・、最初から全部は上手く行かないから。
でもオートはカット毎にバラツキが出る事があるので、何枚も撮るんだったら光源を考えて自分でアイコンを選択するか、人物撮影だったら白セットも挑戦してみてくれよ・・・


補足
ホワイトバランスの白セットはメーカーによって呼び名が違います。
メーカー白セットの呼び方
コニカミノルタカスタムホワイトバランス
ソニーカスタムホワイトバランス
キヤノンマニュアルホワイトバランス
ニコンプリセットホワイトバランス
フジプリセットカスタムホワイトバランス
ペンタックスマニュアルホワイトバランス
オリンパスワンタッチホワイトバランス
シグマカスタムホワイトバランス
パナソニックホワイトセット
ライカWhite set ←英語かよっ