過去には日本の企業では企業内教育・訓練が
広く行われていた。
しかし、現在、人材育成に課題があるという
企業は7割に達し、理由としては教育する人
材や時間の不足が挙げられている。
日本の企業の強みの一つが、人材育成のため
の企業内努力であったと考える。
たとえば、私が入社した会社には「訓練部」
というものがあり、入社時の研修は合宿で2
週間くらい行われた。
その後も、5年おきくらいに研修があり人材
育成には気も金も使われていた。
これは、当時においては特殊なことでもなく
日本企業全般で同様の訓練や研修が行われて
いたのでないかと想像する。
その後、バブル崩壊や経済の停滞にともない
成果主義・効率化経営が幅を利かせ、非正規
社員の急増が図られたことなどが理由で、企
業の人材教育や育成策の削減が進んだと考え
る。
そして、今、人材難・求人難の時代になって
急に人材の必要性、重要性に目覚めているの
が企業の本当の姿であろう。
だが、物事はそう自分勝手には進まない。
これから、準備を周到にして果断に立案し策
を実行するべきだ。
今まで、増やし続けた内部留保を人材の育成
に有効に使うべきだ。