ナラティブアプローチでは、語り手の物語を
しっかり傾聴し、そのこだわりを解き、問題
の影響を客観的に考え、別の見方ができるよ
うにするような方法を取ります。
いかに、そのアプローチの決め手ともいえる
2つを紹介します。
・ユニーク(例外的)な結果を見つける
聞き手が質問をし、語り手が何度も語るうち
に、全体から見て本人がこだわっているスト
ーリーとは異なる部分が出てくることがあり
ます。
聞き手はそのユニーク(例外的)な部分を発
見し、反省的質問を重ねたり、聞き出したり
して、ストーリーを補強していきます。
例
語り手「そういえば、この間プロジェクトで
は私の意見を採用してくれました。」
聞き手「いつも貴方の意見が否定されるわけ
ではないのですね。」
・オルタナティブ・ストーリーを構築してい
く
オルタナティブとは代替を意味します。
発見された例外的なストーリーをもとに、新
しい意味づけを行い、本人がこだわっている
ものに変わる新たなストーリーを一緒につく
っていきます。
例
語り手「上司にしかられることが多い。しか
し、失敗した時に、次にどうしたらよいか教
えてくれていた。自分を嫌って叱っていたの
ではなく、心配して次に活かせるように注意
してくれていたのかもしれません。」
上記のようなやり方は、認知康応療法の誤っ
た認知(推論の誤り)を正すというものとも
近似していそうです。
いずれにしても、十分な傾聴に加えて本人の
ネガコレ的なこだわりを解き、新たな発見に
導くという感じなのだと思います。