人手不足が深刻化しているのは、既に言われ
て久しい。
最近の新聞記事にも、外国人のスカウトや外
国で人事採用する話や主婦の活用、高齢者の
採用の話など若年者や転職者の労働市場の中
心から、それた対象者の労働市場への参加が
紹介されていた。
以前、東京に旅行した時にコンビニエンスス
トアで買い物をした妻が、レジに外国人が居
て買い物したものをレジ袋に入れる時に片言
の日本語で「それ、入れるか」と言われびっ
くりした、と話したことを思い出した。
今後、進むであろう外国人の労働市場参加に
思うことを少し書き進める。
外国人の労働力としての価値論に触れるつも
りはないが、それに関わる人材ビジネスや留
学生関連の受け入れビジネスで儲けている人
たちについては、少し触れたい。
後者の受け入れビジネスの経営者の話しで、
過去に聞いた「今どきの日本の若者はなって
いない。○○人の若者の方が生き生きして、
礼儀正しく、勤勉なので企業にも当然受け入
れられる。」という言葉を思い出す。
確かに、過去の日本人が持っていた勤勉さや
真面目さは、今の日本の若者には失われつつ
あるかも知れないが一般論を越えて色眼鏡で
外国人と日本人の若者を見ているとすれば(
多分、彼は見ている)問題だ。
更に、留学生の受け入れ先である農、漁業関
連の経営者がこう考えているとすれば大問題
だ。
それは、日本の若者を育て、後継者にしてい
く道を自ら断つことに繋がりかねないと思う
からだ。
人材ビジネスのことだが、外国人の観光業へ
の斡旋、紹介でビジネスをしたり、事務系の
システム開発を外国でローコストで行いビジ
ネス化したりという外国関連ビジネスを進め
ようとしている企業を知っている。
その企業はもともと人材ビジネスを行ってき
たが一時期、おおもとの紹介や派遣のビジネ
スで収益が上がらない時に並行してやってい
た公的機関の委託事業や職業訓練のビジネス
で儲けて穴埋めをしていたと聞く。
一方で日本人の人材関連(若年者中心の)の
仕事で収益をえているにも関わらず、ビジネ
スチャンスとみると外国人関連にも手も出す。
ビジネスマンとしては当然のことかも知れな
い
が、少なくとも公共性の観点や教育にも少し
は関連するという観点から見て、その何でも
ありの姿勢は如何なものか、と思う。
もっと言えば、日本の若者を如何に育成すべ
きかという高潔な姿勢にビジネスが勝ってし
まった、とも言えよう。
つまり、教育とビジネスは本質的に違う次元
のものだからだ。