中高年が長年の職場を失った時に喪失がもた
らす内的状況への不適応で、恨みや悔やみ、
悲しみや怒りといった様々な感情が繰り返し
襲ってくる。
この状態は喪失を受け止め、自分の中で折り
合いをつけるまで続く。
フロイトはこれを「悲哀の仕事(mourning
work)」とよび、避けて通れない重要なプ
ロセスとした。
中高年がリストラにあった時に必要なのが、
この「悲哀の仕事」の完遂と言える。
こういう中高年の相談業務では、とりあえず
、この「悲哀の仕事」の完遂に付き合う覚悟
が必要になる。
これは、同年代のカウンセラーでもかなり難
しい仕事になる。
共感、同感が可能な年齢でも困難なのだ。
ましてや、かなり若輩のカウンセラーには至
難の技になる筈だ。
ここを、しっかりやるためには、なまじのカ
ウンセリングマインドなどでは及びもつかな
い。
最も、やってはいけないことが自分の拙い技
術や経験で「知ったかぶりをして」上から目
線のコンサルティングをしようとすることで
あろう。
一旦、切れた信頼の絆は、なかなか元には戻
らない。