アメリカでは、キャリア・カウンセラーは大
学などの教員、スーパバイザー、研究者、コ
ンサルタント、政府や地方行政機関の職員や
専門職員として働き、間接的にカウンセラー
としての資質や知識を社会のために活用して
いるものも少なくない、と言われている。
一方、日本ではハローワークを筆頭とする公
的機関や地方自治体、大学のキャリアセンタ
ーなどの教育機関を中心に民間の再就職支援
会社や人材会社の公的な受託事業等々にキャ
リア・カウンセラーは勤務している。
また、独立のキャリア・カウンセラーとして
活躍している人は、極めて少数だと思われる。
職務上、カウンセラーとしての能力や資質を
活用するのは理想である。
しかし、公的機関は既存の職員が経年雇用さ
れ新規採用の枠は狭く、教育機関も少子化の
影響で雇用枠は先細りしがちだ。
民間に至っては、雇用情勢に大きく左右され
極めて安定性に乏しい。
従って、キャリア・カウンセラーの職は現在
、供給過多と言えよう。
有資格のキャリア・カウンセラーは職に就き
たいのが本音だろうが、そうでない場合に他
の職業と並行して、ボランティアなどで社会
参画し活動することも現在の社会では可能だ。
その能力を自分のためだけではなく「社会の
ために活用する」ということがアメリカの例
に倣えば重要なのではなかろうか。