「真に身に着ける」ということ | キャリア・カウンセラー札幌のブログ

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キャリア・カウンセラー札幌の活動内容やキャリア・カウンセラーとしての雑感を記載しています。

たとえば知識や理論のようなものを共有する

ことはそう難しくない。

多くの経験やノウハウを有する先達が後輩に

知識を伝授していくことで社会に普及させら

れる。

そして、そのためには時間共有の場所とペー

パーと少しのツールの準備のみがあれば良い。

と、ここまでは簡単そうに見える。

そこからが、実は学習の困難さを物語る。

このことを実感したのは、つい最近の出来事

による。

ある研修を、我が組織で引き受けたことで実

に久しぶりにカウンセリング場面の再現を聴

衆の前で行うことになった。

そこで、カウンセリング場面の理想形をシナ

リオ化して二役の演習を繰り返した。

しかし、物事はそう簡単ではなかった。

二人の呼吸を合わせるだけでも相当数の練習

が必要で、かなりの部分を空でやれるように

なるまでに十回以上の練習回数を必要とした。

つまり、理論をうる覚えで分かるだけなら短

時間で出来るが、問題は「真に身に着ける」

ことが出来たか、ということだ。

実は、カウンセリングが技能であることを、

このことを体験するまでは忘れていた。

確かに、運動でも本で分かることは実際には

出来ないことの方が多い。

この膨大な時間の集積が真の知識の共有には

必要だということが、最近、幸運にも理解出

来た。