作家の五木寛之が「下山の思想」のなかの最
後の章“ノスタルジーのすすめ”でこんなこ
とを書いています。
「郷愁にひたるためには、まず年寄りでなく
てはならない。
過去に少なくとも半世紀近い記憶の集積がな
ければ無理である。
<還らぬ夏―>その実感をかみしめながら、
現実逃避としてではなく、過去の時代を追憶
してノスタルジーにひたる。
誰にも迷惑はかけていない。
ただぼんやりと思い出にふけっているだけだ。
それを一つの楽しみとして、積極的にエンジ
ョイしてみようと、最近おもうようになった
。」
そして、実はこの文章の前に、1950~60
年代のジャズ、シャンソンの思いでについて
の記述があるのです・・・。そして、さらに
、こんなことも・・・
「郷愁に身をまかせることは、それぞれの
個人にとって、疑いなき真実の時間である」
人生100年時代には、こうしたノスタル
ジーにひたる時期はいつになるのでしょう
か。
ただ、自分の生涯を静かに顧みてゆっくり考
えられる時間を持ちうるのはおそらくリタイ
ア後の自由時間増えた時期なのではないでし
ょうか。
そして、その時期に、できるかぎりノスタル
ジーにひたってみるのです。
自己の振り返り、一端、残すべきは残し無駄
なものを断捨離するのもよい、と考える次第
です。