ネットを媒介に企業が仕事を発注し、不特定
多数の個人が働く「クラウドソーシング」が
拡大している。
一方、働く場所を限定しない「ノマド」も人
手不足への対応策となる可能性があるものと
いえよう。
「ノマド」も「クラウドソーシング」も意味
は違うが、場所を固定せずに働くという枠組
みで考えれば同じともいえよう。
現代ではインターネットを媒介にした、こう
した自由な「場」での仕事が可能となった訳
だ。
ただ楽で自由な仕事が、実は決して楽勝では
ないことは自明の理だ。
以前、高校生の進路相談の仕事をしていた時
に、人気が高かった職業に「声優」「シェフ、
パティシエ」「バンドマン」、業界では菓子
屋(ケーキ屋)、アパレルなどがある。
これらの共通項のひとつは、「自由」な職場
ということではないかと考える。
町工場で部品を作り続けることとは対極的な
一見華やかで自由度の高そうなものが好まれ
ていたように思われる。
いずれも一つの職場に固定されずに、された
としても同業他社に容易に転職可能に見える
ようなものだ。
そして、それを語った生徒たちの9割がたは
業界はともかくとして、上記の職業には就か
ず趣味としてやっているかどうかも分からな
い、と思われる。
上記の職業を生涯の仕事にするためには長い
時間と修練を必要とするからだ。
もし、そうした職業で食っていきたければ執
念と計画性を持ちながら行動し続け、具体的
な職場のイメージを明確にするよう情報収集
しながら進むことだ。
そして、決して自由気ままで楽勝な「仕事」
を思いつきで選択しないことだ。
そして、一見楽に見える仕事が実は極めて競
争が激しく、平均的に高い収入が保証される
者でもないことは事実だ。
だからこそ、上記のような華やかで、一見楽
に見える職業に就こうとするならば、テスト
ランの体験や期間を確保するべきだ。