昔、ある組織の人が「自分は仕事について起
きている間ずっと考えている。そして、自分
はテレビは見ない。」と発言したのを聞いた
ことがあります。
ただ、僕はその言葉に共感できませんでした。
何故かというと、その人が私利私欲を捨てて
組織や、その組織に帰属している人の福利厚
生や待遇の向上に務めている姿を見たことが
ないからです。
その人は自分が読書家でテレビ以外の活字か
ら様々なことを学んでいるという風に自分で
は思っているらしいのですが、様々な場面で
のあいさつの中で本に触れた話を聞いたこと
が一度もありません。
また、この人が書いたものを見ても、通り一
遍の新聞に書いてあるレベルの話以上の深み
を感じたことがなく、本の読後感や本からの
引用の話を聞いたことがないのです。
従って本もろくに読んでいないのが本当のと
ころ、だと考えます。
この人の持つ知識は少しの読書(新聞、雑誌
を広い意味で含めて)によるものと、人から
の聞きかじりで得られていると思います。
仕事についての考えも、公共的な視点や社会
貢献的な視点というよりはビジネス(=金儲
け)的な視点からのみ成りたっていて無私の
気持ちからは決して生まれていないのです。
僕は、この人以外にも、こうした会社経営者
を数多く見てきました。
そして本質的に金儲けやそれに伴う遊び以外
の自分を作ろうとする人がいないことが残念
です。
いくらきれいごとを言っても、社会貢献や社
会活動に興味が無いのでは、結論的には尊敬
に値しないのです。
ここが社会で愛されたり、尊敬されたりの境
界線だと考えます。