学生の就活セミナーのなかに偶に「メイクア
ップ」セミナーを見かけて苦笑する。
確かに就活の面接の場面では「第1印象」は
重要であり、どんなセミナーでも、その重要
性に触れないものはない。
したがって、第1印象を左右する「みかけ、
あるいは見た目」に気を配ることは極めて重
要になる。
しかし、その見た目はマナーやきちんとした
着こなしや髪の色や清潔感等々の見た目の総
体に対する評価を指すのではなかろうか。
面接に重要なことは3つあると以前から考え
てきた。
それは「第1印象」「事前準備」「やる気を伝
えること」なのだが、重要な要素の中の一つ
に過ぎない。
過去に養成講座のカウンセリング実技の試験
にスーツではなく平服で来て受験し「知らな
かった」と泣いた人がいたが、結果的には合
格したことがあった。
これは、「第1印象」という要素は面接では
重要だが、それにも増して質疑応答の内容が
重要だということを物語る。
前述のコンピテンシー面接では応答の深さが
問われる。
例えばゼミでゼミ長だったと答えた場合に、
企業がマネージメント能力を確認したい場合
にはゼミの規模やグループの統括の具体的事
例やその方法などについてツッコんだ質問が
予想され、調整能力を確認したい場合には問
題解決の事例やその解決の手法や担当教授と
の関係や円滑な人間関係を維持するための工
夫などへの質問が多くなることだろう。
こういう深いやり取りに臨むためには、初歩
のマナーの履行や着こなしやメイクの優劣な
どは問題視されない可能性が高い。
その人物の遂行能力の多寡の評価ウェイトが
著しく高いからだ。