話を聞く途中で助言や意見をしたくなったと
しても、そういう助言などの効果は限定的で
あることに留意する必要がある。
確かに、カウンセラーとしての経験が長くな
ると相談者の話の類型的なことに気付くよう
になると思われる。
例えば、精神的な苦痛を「愚痴を言って」晴
らすためだけが希望のような人も多い。
こういう場合には、かなり辛抱強く聴きに徹
しなければラポール形成も不可能になる。
別のケースでは希望のみで就職が可能と考え
ているような現実無視のパターンもある。
こういう時に、カウンセラーとしてはすぐに
現実を直視すべきだなどと教唆しがちではな
かろうか。
確かに、現実を直視して諦めるのが賢い選択
の場合も多く見かけられる。
しかし、諦めて問題解決ではないのだ。
相談者は一旦は引き下がるかもしれないが、
こうした希望は再度沸き起こる。
場合によっては一生付きまとう。
では、課題解決には?
カウンセラーとして「希望」の成就を一緒に
考えるのも良いであろう。
あるいは希望の達成に不足することを認識さ
せて不足を補う方法をどうとるかを課題とし
て意識させるのも良いかもしれない。
とにかく短絡的に「希望」を諦めて経験した
業・職種に戻れなどと間違った提案などして
はいけないのだ。