仕事とは本来苦しいもの、と相変わらず思っ
ている。
自分の怠惰さや不精なことを克服するだけで
も、エネルギーがいるし、はっきり言って疲
れる。
営業で現場よりもスタッフとして企画や事業
管理のような仕事に将来は進みたい、という
希望で仕事をして10年位過ぎた頃にようや
くスタッフ的な仕事のチャンスに恵まれた。
残念ながら、そのプロジェクトは1年以内に
終了したが、その時の縁で支店から本部に移
動となった。
そして、その時の仕事はかなり下らないもの
が主であった。
それは、その地域の得意先を集めた恒例行事
の窓口業務である。1年に一回定例で行う「
大宴会」の幹事役といえば分かりやすいかも
知れない。
5、600人の得意先の社長や役員が主な主
席者で社内では社長以下錚々たるメンバーが
出る、大行事で、周りの先輩たちから上手く
いって当たり前の大変な仕事で失敗は許され
ないと口々に脅されたものだ。
上司と例年の会場と変更する大宴会場を持つ
某有名ホテルに会場下見、予約に行ったりも
した。
宴会であるからには飲食や余興も考え、招待
状の手配発送からお土産の用意まで細々と多
岐にわたることを全て企画書にし予算を業
者と折衝し簡単な予行演習もし当日を迎えた。
小さなミスはかなりあったが大きなハプニン
グはなく「大宴会」は終了した。
そこまでの企画段階での数々の意見ともつか
ない横槍や修正の命令は嫌になることの連続
だったが、何とか乗り越えることが出来た。
当日、宴会終了後、上司の更に上役とその上
役(その場所の上から二番目とその直属の筆
頭課長)に上司と二人で慰労されたが、その
晩はいくら飲んでも酔わなかったことを今で
も覚えている。
その後、1、2週間がすぎて緊張感がほどけ
て、単調な業務に戻った時に「仕事の達成感
」がゆっくりとやってきて改めてほっとした
ことを思い出す。