「老後難民」の著者の野尻哲史氏の談話より。
多くの方から「老後難民」ってなんだ、と聞
かれるようになりました。
年齢を重ねることで肉体的に衰えたり、生活
力が落ちたりすることは否めませんが、経済
力が落ちることでその状況がよりいっそうひ
どくなったり、まだまだ生活できる力がある
のに孤立したりすることが懸念されます。
自分では大丈夫だと思える資産があっても、
実は想像以上に費用がかかり、それによって
最後年になって一気に経済力が落ちることも
あり得ます。
私は「老後難民」を、「自分が思っている以
上に経済力が落ちることで、単に高齢になる
ことが普通以上に負担となる高齢者」と位置
付けています。
ここで肝心なことは、肉体的な問題が本質的
な問題ではなく、経済的な課題が問題を深刻
化させるという面に注目していることです。
―中略―
実際、交際費、食費、衣料費は減っていくと
思います。
しかし、高齢化率が高まるにつれて「医療費」
が増えていくので食費、衣料費などが減った
としても生活費全体が減るのかは疑問なとこ
ろです。
従って、年金の漸減や「医療費」の増大に若
いうちから備えなければ難民になるやも、と
いうのが野尻哲史氏の話しのようです。
確かに、自助努力も重要ですが、なってしま
った人々への対策も重要です。
高齢者の働き先の確保やセイフティ―ネット
のありかた等々、今後も検討が必要なことが
多いと感じているのは私だけではない筈です。