感情への応答は、クライエントの感情の表現(言語化
されている場合もあるし、言語化されていない場合も
ある)を注意深く聴き取り、それを伝え返すことであ
る、と言われていいます。
それは、「感情への反射」と「感情の明確化」によっ
て行われます。
感情への応答がきちんと行われない場合、クライエン
トはカウンセラーへの信頼感を無くし、応答をしなく
なったりわざと自分の本意とは違う答えをしたりする
、と言われています。
感情への応答は以下の2つと言われています。
感情の反射(反映)
相手が伝えてくる感情などを、「あなたのいいたいこ
とは~なんですね」とか、「~という気持ちなんです
ね」というように確かめの気持ちをこめて相手に返す。
感情の明確化
クライエントが感じてはいるが、言葉としてはつかん
でいないことを、明確な言葉で表現して伝え返す。
ですからカウンセリングの時は、感情にはいつも注意
しながら進めなければならないということです。
例えば、キャリアコンサルティング技能士の試験では
カウンセリングの序盤で感情への応答に失敗すると、
相談者が押し黙ったり、自分の思いと異なることを言
ったりしてカウンセリングが順調に進まなくなると、
言われています。
虚心坦懐な姿勢を失い、上手く自分のシナリオ通りに
カウンセリングを進めようとすると相談者の発言への
注意力が失われ、相手の感情ことばへの反応をしそこ
なったりしがちです。
相手が苦しいといっているのに「今の質問について、
もっと詳しく話してください」などとちぐはぐな対
応に終始したりするのです。