マザーテレサの言葉に次のようなものがある。
今日の最悪の病気はハンセン病でも結核でもなく、自分は不
必要な存在だという思いである。
世の中に不必要な人間など存在しないのだ。
しかし、公的な相談場所に訪れる相談者にはこうした考えに
支配されて自分の「したいこと」や「できること」を見失っ
ている人々が多く見受けられる。
見失う理由は様々だが、その典型の一つは多くの職場や職業
を転々と変えてきた人たちに多い自己効力感がきわめて低く
なっているケースであろう。
これは「したいこと」が不明確だったり「できること」が不
十分なため企業の要求水準を満たさないなどの原因が推定さ
れる。
個々人には、その人々に固有の「したいこと」があるはずだ。
それを見極めていくこともキャリア・カウンセラーの大事な
仕事の一つだと考える。
「できること」が不足しているときにスキルアップの手段や
方法を伝授するのも重要。
この時に自分の専門外で教えられないことがあるのは自分の
勉強で補う必要はあるとはいうものの完璧にはならない筈だ。
こういう場合には相談者と一緒に考え、一緒に探し、一緒に
悩んでも良いのではないだろうか。
いずれにしても相談者が「自分の価値を確かめる」ことの協
力者であろうとすることで仕事を十分に出来ていることに気
付くべきだ。