これまでの仕事を失うとき、仕事とともに失われるの
は収入だけではない。
仕事を通して成し遂げようとしていた夢、社会的成功、
生活の安定、人間関係が失われる。
さらに会社は自分を守ってくれるという信頼感も打ち
砕かれる。
会社への愛着や依存が大きければ大きいほど「悲哀の
仕事(mourning work)」は大変なものとなる。
上記のことは、過去にリストラや再就職や転職を経験し
た我々の世代では深く理解されていることであろう。
例えば厳しい出世競争や時間外の規制のほとんどないビ
ジネス社会を生き抜き会社(あるいは仕事)にどっぷり
浸り切り愛着や依存に満ち々ていた人間は数限りない。
その対象を突然失うリストラにあった時の衝撃はとてつ
もないことは言うまでもない。
従って簡単にはコンサルティングなど出来ないはずだ。
前述の大きなショックをまず緩和できなければ、何事も
進めらえない筈だ。
そして保障されていた筈の収入が突然に失われ、その後
次第に分かることだが半減することの厳しさ。
キャリア・カウンセラーのカウンセラーの意味は、ここ
ら辺のことに大きく関わると思われる。
その先にあるコンサルティングは、この基礎の上にのみ
成り立つのではないだろうか。