キャリアカウンセリングでは傾聴はすべての基本です。
カウンセラーが相談者の話を真摯に聞くことで、相談者は
カタルシスを得るということは傾聴の大きな効果です。
ただ心理カウンセリングとの違いは聞いているだけではな
く、今後の方向性を具体的に決定させるという側面もある
ことではないかと、私は考えます。
色々と聞いているうちに自分の判断が頭を占めるのもやむ
を得ないことです。
例えば現在の高給で安定した職場を捨てて、夢のためにリ
スキーな職業を選択しようとしている時に、やめなさいと
いうのは万人の言いがちなことでしょう。
しかし、カウンセラーはここで「やめなさい」とは言って
はいけないのです。
あくまでも「やめる」「やめない」は本人が決定するので
す。
ですからカウンセラーは質問により確認することで現在の
職場が安定していることや今後の職業がリスキーであるこ
とに気づかせる。
そのうえで本人の心からの願望に気づかせることが重要な
のです。
自分の心からの声を知った相談者は自分で真の方向性を知
ります。
それがカウンセラーが目指す「気づきを促す」ということ
だと考えます。