一度もお会いしたことがないのに、もう十年近く、わたしを愛してくださる方がいる。
彼女とは葉書のみのお付き合いだけれど、わたし自身の四回にわたる引越しも、あの震災の混乱状態さえも越えて(お互いに住所と氏名しか知らない)今に至る。
ささやかな執筆活動が、思いがけない出会いをもたらしてくれる。
見ず知らずの方から電話を受けることもある(ので、非通知以外はなるべく応答するようにしている)。
多くは、わたしをどこで知ったかを話し、自身が抱えている苦しみを話し、お礼を言って受話器を置く。
わたしは、ただ聴いているだけしかできない(いつも)というのに。
回線が切れた後、しばらくぼんやりする。
そこはかとない温もりを感じる。
わたしは生きていて良いのだ と。
存在していて良いのだ と。
たとえどんな想いであっても、わたしにぶつけて楽になると感じてもらえるならば嬉しい。
稚拙を恥とこそ思えど、わたしの文章で少しでも心穏やかになれる方がいるならば本望だと思う。
たぶん、彼女は分からないだろう。
最後に書かれたこの一文に、わたしがどれほど救われ、明日を生きる勇気を持つことができたか。
‥いつか、お目にかかることを楽しみにしています。
感謝。