人の手で作ったものは、作り手のエネルギーが宿ると思う。
焼き物であったり、絵画であったり、被服であったり。
その中に日々の暮らしで誰もが身近な料理というのは
とりわけ特別なものに感じる。
素材には大地や旬のエネルギーが宿っていて、手を加えることで
作り手のエネルギーも入る。
子供の頃、母親は料理が苦手だったのか、お惣菜もよく並び、
食べるたびに寂しく、悲しかったのをよく覚えている。
多分、美味しさや見た目の綺麗さなどより、(どちらもあったわけではないけれど)
母の手で作られたものが食べたかったのだと思う。
今、自分が母親になって、毎日料理をしている。
大変だし、時に(というか多々)文句を言われ、嫌な顔をされ、
腹立たしく思いながら、でも作る。
人の手のエネルギーが入った料理は、食べた人を護るのだそうだ。
例えばレトルトのカレーであっても、お皿に盛って、レストランのように
トマトやサラダも少し一緒に乗せるとかそんな小さな気遣いで、
立派にエネルギーを作るらしい。
そしてそれは母でなくても、誰かの手で作られたものであれば宿っていると聞いた。
いつか、昔の私のように寂しい気持ちを抱えた子供たちに料理を振る舞うようなこともできたらいいなと思う。
やりたいことがあちこち湧いて出てきて、
きっと全てやり切ることは不可能かもしれないけれど。
何かの形で愛を発信していきたいとなぜかますます思う、今日この頃。