えっと、毎度の事ながらタイトルと本編は、ほとんど関係がありません。

意図が無いとは言い切れませんが「バタフライ・エフェクト」級の乖離(^^ゞ

 

それでは早速今回のお題、

「先輩、その口紅塗らないで」( 2021 JTBC )

 

化粧品会社に勤務するユン・ソンア(ウォン・ジナ 左)と、後輩チェ・ヒョンスン(ロウン [ SF9 ] 右)のベタ過ぎるほどベタなオフィス系ラブロマンス。

同名の原作小説は、放送とほぼ同時期にウェブトーン( WEB 漫画)化されています。

 

尚、最近のドラマなのでネタバレは無し。

 

ドラマが始まるオフィス。

仕事でのやりとりを通じ、主要人物を上下関係を含め紹介していきます。

 

主人公たちが乗り込む会社のシャトルバス。

移動中が休憩時間、着座位置と視線に表れる気持ち。

 

「ヒョンデ(ヒュンダイ 現代) ニュー・カウンティ」( Hyundai New County )バスはともかく…

 

頻繁な外回りと、往来する街の雰囲気を描写。

 

バスの背景に写るのが、

ソウル有数の繁華街「江南(かんなむ)」に建つ「サミット・ギャラリー」( Summit Gallery )。

(画像は別ドラマ)

2008 年竣工、巨大スピーカーを思わせる特徴的な建築はドラマの常連。

 

「愛しのホロ」( 2020 Netflix ) マジックミラー社

「タッチ」( 2020 Channel A ) XX 韓国支社

「彼女の私生活」( 2019 tvN )

「契約主夫殿オ・ジャクトゥ」( 2018 MBC ) 芸術財団清月堂

「花遊記(ふぁゆぎ)」( 2017-18 tvN )

 

「適齢期惑々ロマンス(お父さんが変)」( 2017 KBS2 ) ガビ・エンタテインメント

「ショッピング王ルイ」( 2016 MBC )

「タンタラ」( 2016 SBS ) KTOP エンター

「トロットの恋人」( 2014 KBS2 ) シャインスター

「抱きしめたい」( 2014 tvN )

 

「ハートレスシティ」( 2013 JTBC )

「個人の趣向」( 2010 MBC ) ダム美術館

「 MY DREAM 」( 2009 SBS )

 

などなど。

特に芸能・芸術関連での登場が多い。

 

住所;ソウル特別市 江南区 永東大路 337 (大峙洞 968-3 )

( 서울특별시 강남구 영동대로 337 [ 대치동 968-3 ] )

 

主人公たちが働く「クラール」( KLAR )は、江南の「パルナスタワー」( Parnas Tower )。

2016 年に竣工した高層ビル群も、ドラマの常連

 

「クレイジーラブ」( 2022 KBS2 )

「軍検事ドーベルマン」( 2022 tvN )

「Oh!ご主人様」( 2021 MBC )

「調査官ク・ギョンイ」( 2021 JTBC )

「マイン( Mine )」( 2021 tvN )

 

「スタートアップ」( 2020 tvN )

「プライバシー戦争(私生活)」( 2020 JTBC )

「アルハンブラ宮殿の思い出」( 2018-19 tvN )

「マン・ツー・マン」( 2017 JTBC )

 

などなど。

ハイテク企業ヘッドクォーターのイメージ。

 

住所;ソウル特別市 江南区 テヘラン大路 521 (三成洞 159 )

( 서울특별시 강남구 테헤란로 521 [ 삼성동 159 ] )

 

「クラール」( KLAR )はドラマ内の架空ブランドですが、

 

登場する製品は韓国系コスメブランド「クラヴュー」( KLAVUU )、もちろんスポンサー。

 

明洞(みょんどん)の直営店も登場しますが、現在はすでに閉店。

 

油断も隙も無い PPL (画面内商品配置)。

バス停の広告にも「クラヴュー」。

 

外回りの一環として、百貨店の売り場を視察。

 

視察を終えたふたりが百貨店から出てきます。

この百貨店はソウル市内のように描かれますが、実際は全く別の場所。

(カカオマップから画像を借用)

 

忠清北道 清州市の「現代百貨店 忠清店」

 

住所;忠清北道 清州市 興徳区 直地大路 308 (旧 福台洞 3380 )

( 충청북도 청주시 흥덕구 직지대로 308 [ 복대동 3380 ] )

 

この百貨店は別のドラマ

「 VIP 」( 2019 SBS )にも登場。

 

 

直帰するソンア。

 

場面展開のため、こうしたショットが重要です。

振り向かずに去るソンアと、名残惜し気に後ろ姿を見送るヒョンスン。

ここにも互いの気持ちが表れます。

 

ソンアは、友人のキム・ガヨン(カン・ヘジン)と、トッポギ店で待ち合わせ。

 

一方のヒョンスンは、広いが暗い部屋に帰宅。

裕福なひとり暮らしと分かります。

 

ソンアが初めて説明的なセリフを発します。

「ヒョンスンには、お姉さんがふたりいる。」

ガヨンもヒョンスンを知っているようです。

 

トッポギ店にいるソンアに、母からの電話。

ソンアはため息をつき、電話に出ません。

 

間を置かず、ソンア母がガヨンに電話。

画面表示が、「ソンアのお母さん(ソンア・オモニ 송아 어머니 )」。

 

「出ないで」とソンアがガヨンを制します。

ソンア母娘には何やら複雑な事情があり、ガヨンが間をつないでいるらしいと分かります。

 

「いっつも出ないんだから」と嘆くソンア母。

やや荒んだ暮らしぶりがうかがえます。

 

ドラマ開始からここまで約 20 分。

 

ソンアとガヨンが帰る少々古い家。

親元を離れたルームシェアと分かります。

 

日付が変わり、ヒョンスンとふたりの姉が創作料理店でランチ。

裕福な家族なのを補強します。

 

ソンアとガヨンのランチは、自宅でラーメンと常備菜(パンチャン)。

 

とてもオーソドックスな序盤の人物紹介を眺め、典型的展開をするのだろうと感じました。

(まあ実際その通りで、意外性はほとんどありませんでした)

 

同時に説明的セリフを避け、序盤のやり取りでドラマのテンションを定めるような展開を、最近の日本のドラマでは見なくなったとも思うのでした。

 

モノローグやナレーション、字幕などを用い、人物紹介を簡単に済ます手法が目につきます。

確かに現在 1 話 45 分程度の放送枠の半分近く、20 分以上を人物紹介に費やすのが難しいのは分かるのですが…

 

けれどもセリフに依らない表現や、物語のレートを画面で規定する手法は、日本のドラマや映画が本来得意としていたはず。

韓国ドラマを眺め、何とはなし残念と感じてしまうのです。

 

おまけ

こうしたドラマの場合、細かな部分が結構重要だったりします。

 

登場人物が身に着ける社員証がとてもリアル。

証明写真風の画像を、わざわざ撮影して貼り付ける手の込み方。

 

こうした事にこだわると、かなりの時間と手間がかかります。

 

つづきます。