先日ヘッドラインニュースを眺めていたら、ちょっと気になるタイトルが。
『 激ムズ…!? 海外通にしか解けない「空港コード」クイズ 』
ふむふむ、一体どんな「激ムズ…!?」と思い開いてみると…
- NRT
- JFK
- HND
- LAX
- SFO
- HNL
- HKG
- CDG
だって。
えーっ、こんな捻りの無い 3 レターコードで問う意図は、とか考えてしまいました(^^ゞ
それに、並び順がいまいち不明。
(普通アルファベット順か、地域順と思いますが)
しかも、文末に「いくつわかりましたか?」って…
みなさまには自明過ぎるとは思いますが、一応の解答編。
1.「 NRT 」
日本の空の玄関口「成田国際空港( RJAA )」。
「 NRT 」は 1978 年に「新東京国際空港」として開港。
2004 年の民営化を機に「成田国際空港」に改称。
とはいえ、開港以来「成田空港」が一般的な呼称。
航空旅客数が日本二位(国際線一位)。
航空貨物量は断トツの日本一、世界的にも 8~10 位。
2.「 JFK 」
米国 35 代大統領を顕彰する、ニューヨークの「ジョン・F・ケネディ国際空港(KJFK)」。
米国海軍最後の通常動力型空母「 John F. Kennedy, CV-67 」( 1968-2007 )も同じ趣旨。
ニューヨーク周辺の他空港、「ラガーディア空港( LGA/KLGA )」「ニューアーク・リバティ国際空港( EWR/KEWR )」と区別するため、「 JFK 」が一般的呼称。
現「 JFK 」は 1948 年の開港時「ニューヨーク国際空港( NYI )」となる筈が、「都市コード( NYC )」との混同を避け、「アイドルワイルド空港( IDL )」として開港。
1963 年末、「 JFK 」に名称/空港コードを変更。
3.「 HND 」
日本最大の空港「東京国際空港( RJTT )」。
一般的呼称は「羽田空港」。
面積が 15.22 K㎡ あり、住所地の大田区の 25 % を占める。
拡張により世田谷区を抜き、大田区が東京 23 区最大の面積となった。
航空旅客数、発着回数が日本一。
航空旅客数は世界的にも 4~5 位。
航空貨物量は「 NRT 」に次ぐ日本二位。
4.「 LAX 」
米国西海岸有数の規模を持つ「ロサンゼルス国際空港( KLAX )」。
「 LAX 」は航空旅客数が「 HND 」と並ぶ世界 3~5 位。
ロサンゼルス = LA+「 X 」の意味がよく問われるが、「『 X 』は単なる付加記号」がおそらく正解。
「関西国際空港( KIX/RJBB )」も似た用法。
LA って個人的にイメージしにくく、何となく背の高い椰子の木。
実はこの景色は LA ではなく、ハワイ(笑)
5.「 SFO 」
「 LAX 」に次ぐ、米国西海岸の玄関口「サンフランシスコ国際空港( KSFO )」
サンフランシスコといえば、1967 年、スコット・マッケンジー( Scott McKenzie )のヒット曲「花のサンフランシスコ [ San Francisco (Be Sure to Wear Flowers in Your Hair) ]」、なんて長いタイトルなんだ。
フラワームーヴメントを代表する曲のひとつ。
って空港と全く関係ない。
上手く表現出来ないため、ちょっと逃避(^^ゞ
6.「 HNL 」
太平洋の要衝、米国ハワイ州ホノルルの「ダニエル・K・イノウエ国際空港( PHNL )」。
旧「ホノルル国際空港」、ハワイアン航空( HA/HAL )の 5 機並び。
1927 年、「 HNL 」の前身「ジョン・ロジャース空港」が開港。
1947 年、国際化に伴い「ホノルル国際空港」に名称を変更。
2017 年、正式名称を「ダニエル・K・イノウエ国際空港」に改称。
日本のような愛称ではなく、正式名称を変更するのが米国らしいところ。
只「 JFK 」のような空港コードの変更は無し。
語呂の良いコードが、今ではあまり残っていないのでしょうか。
7..「 HKG 」
1998 年に開港した香港唯一の「香港国際空港( VHHH )」。
「 HND 」を出発する、香港エクスプレス( UO/HKE )の A320-200 ( B-LCH )。
「チェクラップコク国際空港」とも呼ばれる。
航空旅客数が世界 10 位前後。
航空貨物量が世界一。
1936 年から 1998 年までは、香港アプローチの「啓徳空港」が使われていた。
8.「 CDG 」
仏国 18 代大統領を顕彰する、パリの玄関口「パリ=シャルル・ド・ゴール空港」。
米国以外唯一の原子力空母「 Charles de Gaulle, R 91 」( 2001- )も同じ趣旨。
航空旅客数が「 HKG 」と並ぶ世界 10 位前後。
「パリ=オルリー空港( ORY/LFPO )」混雑解消のため 1974 年に開港。
1980 年代前半頃まで「 ORY 」便と「 CDG 」便が混在し、ややこしかった。
関係ありませんが個人顕彰が多い米国や仏国に対し、英国や日本には少ない。
理由は単純、共和国制の米国や仏国に対し、英国や日本は立憲君主制。
どうせなら上のクイズ、英国ロンドンの「ヒースロー空港( LHR/EGLL )」も加えて欲しかった。
3 レタークイズをやるのなら、中級編として知られる「沖縄/那覇空港」とか。
2015 年撮影のため、第 2 滑走路建設が始まったばかり。
「沖縄/那覇空港」の空港コードは「 OKA/ROAH 」で、「岡山空港」は「 OKA 」ではない。
「岡山 “桃太郎” 空港」の空港コードは「 OKJ/RJOB 」。
「 OKI 」は「隠岐空港( OKI/RJNO )」で、「沖縄/那覇空港」ではない。
「隠岐空港」に着陸する、日本エアコミューター( JC/JAC )の “ボンQ” DHC8-Q400。
最後のレインボーカラー JA842C 号機は、2017 年に退役。
ついでに、「沖縄/那覇空港」でよく出てくる、
「 OKI 」を、上記「隠岐空港」に取られた説、
「 NAH 」を、インドネシア 北スラウェシ州 サンギル島「ナハ空港( NAH/WAMH )」に取られた説は、明らかに間違い。
1947 年、「沖縄/那覇空港」の前身である「那覇飛行場(小禄飛行場)」に、パンアメリカン航空( PA/PAA )が就航。
3 レターコードを管轄する IATA (国際航空運送協会)の設立直後でした。
この時点で既に、米軍統治下で「那覇飛行場(小禄飛行場)」を「 OKA 」と登録済。
「隠岐空港」やインドネシア「ナハ空港」の登録よりもはるかに早い。
就航時はお馴染みのこのマークよりも前、尾翼に「 PAA 」の時代かな。
「 OKA 」が「沖縄/那覇空港」のコードとなった理由は諸説あり。
有力とされるのが「 OKinawA 」「OKinawa-NahA 」と文字列を拾った説。
けれども個人的なお気に入りは、
旧名「小禄飛行場」=「 OroKu Airfield 」由来説。
米軍関係者が「 Okinawa 」を上手く発音出来ず、「 OK-nA 」「 OK-wA 」と呼んだから説。
いっその事、上級編の「久米島空港」とか。
「久米島空港」は「 UEO/ROKJ 」。
米軍統治下の 1965 年開港。
「 kUmEjima-Okinawa 」からとされますが、日本語ネイティブとしては、ちょっと不思議な米軍関係者の言語センスに感じます。
まあ日本最西端の空港、「与那国空港」もちょっと不思議。
2015年、往年の RAC シーサー号 DHC8-Q100 ( JA8972 )で「与那国空港」を離陸。
「与那国空港」は「 OGN/ROYN 」、「 YOnaGuNi 」からと思われます。
1957 年には民間機が就航しているので、選択の余地は広かった筈。
個人的に、ちょっと意外に感じる「函館空港」。
「函館空港」は「 HKD/RJCH 」。
ごく普通に「 HaKoDate 」ですが、「 HoKkaiDo (北海道)」に見えてしまったり、一瞬「 HND 」かと思ってしまうのです。
「上級編をもうひとつ、『 FSZ 』はちょっと難しいかも~」
「 FSZ 」は「静岡空港( FSZ/RJNS )」。
以前は上級編でしたが、「 “富士山” 静岡空港」( Fujisan-SiZuoka )と愛称が付き、分かりやすくなりました。
以上、年の瀬の暇ネタでした。
皆さま、良いお年をお迎えください。