前回に引き続き、

引きこもり生活も早や 3 か月。今月はドラマネタだけで終わってしまいそうです。

 

 

性懲りもなく「契約恋愛」( 막판로맨스 [終盤ロマンス] 2017 JTBC )が、今回のお題。

原題と邦題があまりにも異なる事については… まあいいや。

 

「契約恋愛」は余命宣告をされたヒロイン、ペク・セ(俳優名;ハン・スンヨン 以下同)が願う、「ドラマみたいな恋がしたい」を実現すべく、様々なドラマや映画の場面が登場します。

 

以下、韓国ドラマに縁の無い方には何のこっちゃな記述が続きますが、御容赦ください。

 

 

全面スパンコールのトレーニングウェアを着たトップスターのチ・ソル(イ・ソウォン)と、ペク・セの「契約恋愛」の有力候補、売れない役者のユン・ドンジュン(イ・ソウォン 二役)は、見た目がうりふたつ。これだけで…

 

「シークレット・ガーデン」( 2010 - 11 SBS )が自動的に始まります。

「いかれジャージ」を着れば、誰もがキム・ジュウォン(ヒョンビン)。

 

 

「愛?笑わせるな。そんなもの金で買ってやる、幾らならいい!」と叫んだのは、

 

「秋の童話」( 2000 KBS2 )のハン・テソク(ウォンビン)。

 

そういえば「トッケビ」( 2016 - 17 tvN )に、「ヒョンビン、ウォンビン、キム・ウビン」という、いい男を指す呪文のようなセリフがありました。

 

ヒョンビン、ウォンビンが既に登場。

「相続者たち」( 2013 SBS )のキム・ウビンが出れば、トリオ di “ビン”、コンプリートなのに。

 

ついでに、「秋の童話」テソク(ウォンビン)の叶わぬ恋の相手が、ウンソ(ソン・ヘギョ)。

ソン・ヘギョは、次 のドラマのヒロインでもあります。

 

 

砂漠用迷彩の軍服を着用すれば、何をやっても「太陽の末裔」( 2016 KBS2 )。

 

「医者なら彼氏はいないですよね、忙しいから。」は、ユ・シジン大尉(ソン・ジュンギ)がカン・モヨン医師(ソン・ヘギョ)に出逢った時のセリフ。

ただし、このセリフを言う時のユ・シジン大尉は、軍服ではありません。

 

いきなりの余談。

「カーキ( Khaki )」はこの色だと思っているのですが、「オリーブドラブ ( Olive Drab )」を指す事もあり、結構混乱します。

 

ポスターになった靴紐を結ぶシーンも、よく知られています。ん、むむむぅ?

 

靴紐を結ぶユ・シジン大尉の等身大パネルが製作されたとか。

これで、気分はもうカン・モヨン。

 

あれ、どこか微妙に違和感が。こちらは「太陽の末裔」フィリピン版。

正式リメイクか、頂いちゃいました系なのかは分かりませんでした。

 

せっかくなので、本家にも登場してもらいましょう。

 

 

 

ご飯に向かって突進し、いきなり手掴みで食べ始めるのは、

 

映画「私のオオカミ少年」( 2012 )。

オオカミ少年 チョルスを演じたのが、ユ・シジン大尉もといソン・ジュンギ。

 

右のスニ(パク・ボヨン)が出す「待て」「よし」という指示にだけは、何故か従順に従うオオカミ少年 チョルス。

横道ですが、チョルスは教科書に載るような、昔の男の子名前の典型だったとか。

 

 

 

さてと次。突然傘に入ってきて、隠れていた顔が現れた瞬間に微笑むのは、

 

映画「オオカミの誘惑」( 2004 )のチョン・テソン(カン・ドンウォン)。

まあ、オオカミつながりという事で。

 

このシーン、傘といえば必ずというくらいに模倣され続けています。
例えば「太陽の末裔」にも、このシーンが登場します。

 

 

「傘の呪縛」をようやく打ち破ったとされるのが、「トッケビ」。

 

傘で隠されていたトッケビ = キム・シン(コン・ユ)の顔が現れた時、無表情。

 

ところが今度はこのシーンが大量に引用され、今や傘といえばこの表情。

 

 

「契約恋愛」には、もちろん「トッケビ」も登場します。

 

傘は「オオカミの誘惑」に使ってしまったため、ソバの花束(のようなもの)を持って現れます。

奥に薄く、漢江に架かる橋が見えているのはご愛敬。

 

本家はこちら。やはり背景は波のほうが自然で良いようです。

「花言葉は何?」という問いかけに、「恋人。」とさりげなく返すには、状況も重要です。

 

 

「君と出逢えた私の人生は、褒章であった。」

言い終える前に、塵になり風になり消えてしまいそうです。

 

「雨になり、初雪になり、帰ってくる」ためには、やはり本家のほうが…

 

 

リストはまだまだ続きます。

 

今度は、「パリの恋人」( 2004 SBS )ならぬ「坡州(パジュ)の恋人」。

 

これは動きとセリフが重なるシーンなので、説明がちょっと難しい。

 

財閥二世のハン・ギジュ(パク・シニャン)が、窮地に陥るカン・テヨン(キム・ジョンウン)の手を取り、『えぎや、かじゃ!』 *1 と呼びかけ、その場から連れ出します。

そして、『「あのひとが私の恋人です」と、何故言えない!』と、テヨンに迫ります。

 *1; 『えぎや、かじゃ! ( 애기야, 가자 !)』が出てくるのは、本当はこの場面ではありません。

えぎや、かじゃ!』が実際に登場するのは、下の第 4 話 2' 50" あたり。

直訳すると「子どもよ、行こう!」ですが、「甘い愛称 + 行くぞ!」くらいの意味でしょうか。

 

『「あのひとが私の恋人です」と、何故言えない!』は 11 話の 10' 15" あたり。

ここでもギジュがテヨンを連れ出しますが( 9' 30" )、立ち去る時は無言です。

 

このシーンは結構長く、 9' 40" あたりからやり取りが始まります。

また、決めセリフも、ちょっと歌詞みたいな言い回しです。

ちょ なむじゃが ね さらみだ (あの男が 私の人だ)

ちょ なむじゃが ね えいにだ (あの男が 私の恋人だ)

うぇ まるる もはにゃご (何故 話が 出来ないのか)

 

저 남자가 내 사람이다
저 남자가 내 애인이다
왜 말을 못하냐고

 

セリフを検索していたら、初放送から 13 年を経た 2017 年に、「パリの恋人」の脚本を担当したキム・ウンスクが、「物議をかもしたあの結末は、(今では)良くなかったと思っている」と発言した記事を見つけました。

まあ当時から確かに、「最終回は観ないほうが良い」とまで言われていました。

 

ここまで登場した、「パリの恋人」、「シークレット・ガーデン」、「太陽の末裔」、「トッケビ」、登場の無かった「相続者たち」、全て脚本がキム・ウンスク。

キム・ウンスク作品は、印象的なセリフが多い事で知られています。

 

 

 

大ネタが続いたので小ネタをひとつ。「白い布と風さえあれば、何処にでも行ける。」は、

 

「花より男子」( 2009 KBS2 )のユン・ジフ(キム・ヒョンジュン)、右端です。

「花より男子」は、1992 年から 2004 年にかけ「マーガレット」に連載された、神尾葉子原作の日本の漫画作品。

1995 年に実写映画化され、翌 1996 年にはアニメ版がテレビ朝日系列で放送されました。

 

更に、2001 年に台湾で実写ドラマ「流星花園」が製作され、2005 年には日本でも実写ドラマが TBS 系列で放送され、高視聴率を記録。

そして 2009 年に韓国版「花より男子」が製作されました。

 

それにしてもすごい映像化率。

 

この作品もまた数々の模倣を生み出しています。

 

上記画像中央「神話グループ」後継者、道明寺 = ク・ジュンピョ(イ・ミンホ)を再現したのが、「棚ぼたのあなた」( 2012 KBS2 )で CM 撮影に臨むパン・ジャングン(クァク・ドンヨン)。

 

ジャングンは、劇中ドラマで出生の秘密を持つ帰国子女役を熱演し、その反響を受け学習教材の CM に起用されるという設定でした。

「花より男子」の主要キャストは、他にも様々な場面で似た姿を見る事が出来ます。

 

 

 

それでは次。セリフを言う雰囲気が少し異なっていたため、最初は分かりませんでした。

 

屋台にて、ソジュ(韓国焼酎)をグラスから溢れるほど注ぎ、

男 「これを飲んだら、俺たち付き合うんだ。」

女 「飲まなかったら?」

男 「もう会う事は無いだろう、死ぬまでな。」

 

映画「私の頭の中の消しゴム」( 2004 )で、不器用で孤独な男チェ・チョルス(チョン・ウソン)が、社長令嬢キム・スジン(ソン・イェジン)に向けた、精一杯の告白でした。

 

該当シーンの動画はこちら。長さは約 1 分です。

 

 

 

出典が分からないものは避けたのですが、あえてひとつだけ。

 

ユン・ドンジュンが気合の入ったファッション(本人談)で、ペク・セの前に登場します。

この奇抜な衣装の元ネタがある筈ですが、分かりませんでした。

 

完全にストーリーを無視し、出典ばかりを探してしまいました。

 

取りあえずこの項は、ここまでです。