80代のソリストの演奏を聴いた。





ぐいぐいとした牽引力を見せることはなく
オーケストラの音を受け止めながらも
自分のテンポ感、世界観に落とす、という演奏。

演奏家には、その年代ごとの表現がある。

もちろん、ただ、その年齢に達したからではなく
それまでの音楽的な、人としての歩み方が反映されての演奏、表現。

特に、それが顕著になってくるのが
70代、80代かと思う。

私は、その時に
どのような境地に辿り着き
どのような音色で
どのような表現をするのだろう。

専門の道のことは勿論のこと
芸術全般を見渡して
そして、人としての
日々の積み重ね。

その蓄積が、
肉体の衰えが起きてくる年代に
技術を上回る輝かしさを増してくるのではないかと思いました。

日々、美しく。


遠藤千晶
http://chiaki-endo.com