明日に続くとか言っておきながら
続いてなくてごめんなさい。

なんか締め切りが多くて
しかも自分で始めた話なのに
重くてまじめに書くの疲れちゃったの。

そんなのでもよければ続きをとーぞ。
今日こそ友達の話です。




久しぶりに連絡をくれた友達

彼はテキサスから引っ越すときに
アメリカ北部にある大学でポスドクのポジションを見つけたと言って出て行った

そんな彼は実はアメリカ北部には引っ越さず
母国に帰っていたのである
職も見つからないまま


彼の母国は日本と同じように良く働く国民性の国

彼は母国で大学院を卒業後
自分の上司の先生からアメリカ行きを勧められた
彼は英語も出来ないし、本当は行きたくなかった様だ

でも年上は敬うお国柄 NO とは言えず
しかも、紹介されたアメリカのラボの上司(実はとんでもない悪魔)は
かの有名科学雑誌 ネイチャー の論文をもっている
あのSTAP細胞と同じ雑誌ですよ
「君もこのラボでネイチャーかセルかサイエンスを出して帰ってきなさい」
的なことを言われたらしい


彼はアメリカ行きが決まったことで彼女とも別れてしまい
大きな成果が出るまではと決意して渡米したのであろうことは想像に難くない

アメリカに来て待っていたのは地獄のような日々だった

ラボのミーティングは土曜日の午後
もちろん土曜は休みなので労働基準的にNG

さらに
ボスは朝が遅いから帰りも遅い
部下が19時くらいに帰ろうとしようものなら
「私が帰宅する前に帰るな!!」
と恫喝

実験結果はボスが思い描いている結果が出るまで
何度でも同じ実験を強要される

ある意味思い描いていない結果が何度でも出てるなら
高い再現性をもって、思い描いていないほうが正しい結果なんでしょう

そしてデータの取り方が不正ギリギリ
もはやいったい何を信じたらいいのか

彼は一年半ほどテキサスにいたが
英語は全く出来るようにならなかった
なぜなら彼の上司は同じ国出身
母国語で会話できるのである

わたしも英語は苦手だが、彼との会話は
彼と同じ国から来ている短期留学の大学生に通訳してもらわないとサッパリだった

彼は言葉は通じないが、ジェスチャーで意思相通ができたので
私は彼が大好きだったのだ

帰国直前は彼は簡単な英語もあきらめたのか
わたし達外国人には通訳なしでは
「ハーイ」
しか言わなくなった
もはやイクラちゃんレベルであった



彼の不幸なところは
どんなに我慢して頑張っても
そのラボにいる限り、ネイチャーなんて絶対に出ないということ
彼の上司のネイチャーは、彼の上司が独立する前に出した業績
それはつまり、上司の前のボスがすごかったということ

何かあれば怒鳴られ
後から同じようにだまされて来てしまったポスドクは早い者は1週間
その次の者は3ヶ月でラボを去り
やりたくもない実験を、思ったとおりの結果が出るまでやらされ
休みもない
さらには不正につながるような結果のとり方までされ

ついに彼はキレた

次の職場が見つかる前に
彼は上司に
「もー我慢できん!こんなラボ辞めてやる!」
と叫んだのである

我々J1ビザでアメリカにいる者は
職場をやめて1ヶ月以内に次の研究室への就職が出来なければ
アメリカを去るしかない

彼は必死で就職活動に励んだ


英語が出来ない彼は、英語のラボでは当然やっていけない
(この点についてはアメリカにいるのに英語が出来ない彼が悪いのだが)
同郷の人間がいるラボを必死に探した
もちろん、帰国することも考え母国でも就職活動したようだ

しかし
アメリカに来て一年半
まともなラボではなかったため、まともな業績もなく
母国では職は見つからなかった

アメリカでやっと見つかった職場は
なんと

彼の上司が
相手先の大学の学部長に直接電話をして
「彼はわたしのラボで最低だったから採用しないほうがいいよ」
と電話をして、採用を潰した

なんたる鬼畜の所業

結局彼は
上司に話を潰されないように、こっそり
テキサスからものすごく遠いアメリカ北部の大学にポジションを見つけたのだが

今後アメリカでまた一から実験を始めて
大きな業績をあげる気力と希望を失ってしまったのであろう
仕事が見つかったアメリカより、母国を選んだ
職がみつからないまま帰国した


わたし達には帰国したことを内緒にしたまま。。。
彼の最後のプライドだったのだろう



ここまでひどいラボもそんなにないだろうが
これに近いくらいのラボなんてざらにあるようだ

そういうラボのボスはポスドクを奴隷くらいにしか思っていないし
ポスドクの将来なんて考えてもいない

彼が去った後
彼の所属していたラボは
ポスドクがいなくなってしまい
ずーーーっといつでもポスドクの募集がかかっている

どの職場でもそうだが
ずっと求人がある職場は
それだけ人の出入りが激しい
労働環境の悪い職場ということだ


求人が出続けているラボには
ぜひ気をつけて欲しい



後日談だが
先週、そのラボに新しいポスドクが来るとの情報があった
またも彼の上司と同郷
そして採用が決まるまでラボメンバーにも、隣のラボの同郷の研究者にも伝えない徹底ぶり

どうやら、採用前にラボの現状が新しいポスドクにバレて話が白紙になることを避けたかったらしい

我々ポスドクの情報網では
早くも
新しい犠牲者がくるようだ!
との情報が出回っている


次回からは
いつも通りの
ゆるい話にもどります