
「飛ぶ力学」
加藤寛一郎 著
東京大学出版会
2012年12月18日 初版
私は趣味でラジコン飛行機やフリーフライト模型飛行機を行って未だ11年目ですが昨日の記事にも書いた通り、その趣味を始めるにあたり「飛行機の飛ぶ原理」というものを明確に知りたいという欲求を持ちました。
子供の頃に、竹ヒゴと紙で出来たゴム動力で飛ぶ飛行機や紙やスチロールで出来たグライダーを作って遊んだ記憶のある方は多いのではと思います。
中には、どれだけ長く遠くへ飛ぶか?仲間と競い合った方もおられることでしょう。自分の模型飛行機がうまく飛んだ時は、まさにドヤ顔にもなったかと思います。
しかし、その時に「何故うまく飛んだのか?」「何故思うように飛ばなかったのか?」深く考え、探求し続けたといった方までは、そうそうおられないと思います。おそらく「模型飛行機の飛ばしっこ」の他にも野球やら鬼ごっこやら子供の遊びというのは沢山あったわけで、模型飛行機をうまく飛ばす方法を突き詰める為の時間や労力は、そうした他の遊びに分散されるのが普通だったはずです。
ただ、たとえ模型の航空機でも「飛ぶ原理」が実際に人の乗る実機と基本的に共通であることは、意外に知られていないようです。もし、模型飛行機で遊ぶ子供達の中で「もっと上手く飛ばす方法」「もっと良く飛ぶ飛行機の作り方」まで熱中する子がもっと沢山いたとしたなら現在の我が国の航空産業や航空研究も、もっと進んでいたかもしれません。
この本の冒頭で著者の加藤寛一郎先生は「良く飛ぶ模型グライダーと実機グライダーの重心位置や翼の前縁の造りの違い」を通して、航空機が大気中を安定して飛行する為の構造的力学や空気の流れの作用を探っています。
我が国航空工学の権威でおられると同時に先生は、紙飛行機の滞空競技全国大会の審査員もつとめられています。
また先生は、模型・実機という大きさの違いのある航空機が同じ大気中を飛びながら安定した飛行をする上で「重心位置」と「翼の前縁の形」を違ったものにしなければならないのは何故か?という国内外の専門家皆さんでさえ未だ満足に解説出来ていない問題に挑みつつ、飛行機の飛ぶ原理と空気の謎を探求し続けています。
それはそのまま、私自身が安全に模型飛行機を飛ばし続ける為の鍵ともなり得るでことでしょう。