
この機体は、クラブの先輩の所有するラジコン・グライダーです。
動力の付いていないピュア・グライダーで、主翼長は1,5M。普段は山岳スロープにて飛ばしておられますが、昨日飛行場で天日干し?されていました。
何より驚愕したのは、御覧の傷み方。
尾翼も主翼も、ほとんどパズル状態……。
山岳スロープ飛行では、特有の強風を利用したダイナミックなフライトが行われることが多く、また周辺には樹木が生い茂り斜面ギリギリのターンや着陸には、大幅な機体破損や場合によっては機体を失うリスクが伴います。
スピードに乗った機体は時に時速200㎞以上にも達し(無動力にも関わらず)、外国製の10万円近くもする価格のハイテク・グライダーでも一瞬で粉々となるリスクを負いながら先輩皆さんは飛ばしておられます。
この写真の機体は、私だったらとっくに廃機にしている壊れ方です。
主翼・尾翼問わず、最も強度のかかる根元の部分の破損がひどく、よく修復したな(汗)と思える程です。
しかしオーナーである先輩は「この機体は本当に性能がいい。絶対に引退はさせない」と言い切っておられました。
それを聞き私は2ヶ月前に自ら運転する車で主翼を引いてしまい、また動力にも見切りをつけて廃機にしたモーターグライダー・クラウディアを思い出していました。
思えば、あれも本当に良い機体でした。
丈夫なシャーレ主翼と反応抜群のラダー機構を持つあのような機体には、私も二度と巡り会うことは無いと思います。
何より私自身のオリジナリティでコンポジットし、セッティングされていました。
最後は自身の判断で安全性を疑い、思い切り良く廃機としたつもりでしたが、クラウディアは決してこの写真の機体程ボロボロではありませんでした。
「もう少し頑張れなかったか?」
この先輩の機体を目の当たりにして、私は自身を責めていました。
ラジコン・フライヤーには様々な考えの方がおられ、中にはほんの少しでも機体にキズが付くと面白くなく、恥と考え新しい機体に買い替える人もいるそうです。
少なくとも、私はそうした人種ではない……だとすれば、私自身の目指す姿勢は、まさにこの写真のグライダーに他ならないと感じました。
愛機が激しく破損した姿は、本当に目を覆いたくなる悲劇に他ありません。
しかし、その瞬間から新たなチャレンジが始まるのです。