猥談日記 「原罪」 12/30
年越しに向けて大掃除をと考えた。
しかし日常的に使われる目につく部分などは、普段から母親の介入によって掃除はされていたので、特に改めて模様替えをする事も無く、そのままで良かった。
時々見つかっては咎められていた押し入れの中やベッドの下のスケベコレクションなども同様に、そのままで良かったのだ。
正確には、そのままにしておく必要があった。
なぜなら・・・
僕の全てを認識していると思い込んでいる母親にさえ、知られることのない秘密が僕にはまだあったからだ。
いやむしろ、これだけは知られてはならなかった。
だからこそ、性への興味に若者らしく愚直に没頭する男を演じ、それに伴ういくつもの本達も、所詮ダミーでしかなかった。
そう、僕の興味はもう既に、次のゾーンへと進んでしまっていたのだ。
それだけは死守せねばならなかったのだ。
それはまさに江戸幕府の禁教令の時代に、隠れキリシタンがマリア像を命の危険を顧みず、隠し持っては祈り続けたような心境とでも言えるだろうか・・・
だからそれだけは、見つかるわけにはいかないのだ。
コンビニで売られているエロ本達とは、入手のルートがまるで違うそのバイブル。
それは、完全無修正の洋物だった。
僕は今夜も両親が寝静まったのを確認し、押し入れの奥の奥の奥からそれをそっと取り出し、拝もうと試みた。
するとそのバイブルから、はらりと一枚の紙切れが・・・
「こんなものはまだ早いと思いますよ! 母より」
来年には一人暮らししよっと・・・