恐怖感はない。

目を開こうとすら思えない。

ただ、そのまま。

寝ていたのか?

あるいは、何かにそう仕向けられていたのか?

今でもわからない。



銅鑼のかねの連打が止むと、ワシの周りをパタパタと畳の上を足取り軽く走り回っているような音が聞こえて来た!!
おまけに、女の子二人のものと思われる笑い声が…。「ウフフ~ウフフ~」と聞こえて来る。


「来た!!これがワラシかぁ?」



ワシは、興奮した。その間、1分程。

パタパタ音が止むと、今度はワシの掛け布団が3回に分けて…、



ズル、ズル、ズルと引き下げられた!さすがにこれには、若干の恐怖心が湧いたが、なかなかにワラシも悪戯好きよのぉ…と、ワシも冷静に戻った。



この間、ほんの2、3分だと思う。繰り返すが、ワシはこれらの現象を体験したが、一切目を開いて見たわけではない。

音を聞き、気配を感じ、掛け布団を下げられる感触があったという事である。



さあ、つぎは何が起きるのか?



と、突然!ワシはいきなり襟首をグィと掴まれ、上半身を起こされたような格好になりながら、部屋の中をズルズルっと強引に引きずられ始めた!



全く躊躇がない。断固たる意志。圧倒的な力強さで引きずられていた!!



しかし引きずられながら、ここでワシは物理的な矛盾に気付いた。

ワシは、壁を背にして寝ていたはずなのである。ありえないなぁ?何が起こっているんだ?と、かなり疑問に思いながらワシは家の中をズルズルと引きずられていた。



幾つもの、本来そこにあるだろう壁をすり抜けて引きずられ、もういい加減、家の外に出る頃合いである。