「この家には、二つの開かずの間があります。前の家主から引き継ぎました。一つは二階に。もう一つはこの部屋の隣です。どうしてもと言うなら隣の部屋は案内しますが、二階は本当に危険なのでやめましょう。家主さんから固く言われているので、私も開けた事がないのですから!。」

ワシは猛烈に両方見たいと思ったが、踏みとどまった。隣の部屋だけを見せていただく事に合意したのだ。
隣部屋。そこは、窓一つない納戸のようなたたずまいだった。唯一、裸電球が一つあるだけの、昼間でも暗くじめじめした広さ六畳程の小部屋である。

「どうぞ、これを見てください。」

とC氏は言うと、ワシをその小部屋の一角に案内した・・・、とそこには、壁一面を爪でかきむしった様な爪痕が、はっきりと残っていたのだ。これは…、もしかして…。