吾輩は天皇なり | 中央線で読む新書

吾輩は天皇なり

保阪正康の「十九人の自称天皇」などで熊沢天皇については知ってはいて
地方の変わり者程度の認識であったのだが、さにあらず。
南朝幻想イデオロギーの後押しもあって、昭和十六年に上奏を行った際は
賛同者に複数の貴族院議長に衆院議長、宇垣一成はじめ陸海の大将、中野
正剛や頭山満、徳富蘇峰らが名を連ねた。

また、熊沢家本家を自認した熊沢信彦。幽霊政治団体をつくり、日本鋼管から
4億円(昭和40年代のため3億円事件から推定すると相当な金額である)を顧問
料として振り込ませ、脱税で告発されている。なぜ日本鋼管はそれだけのカネを
振り込んだのかは、提供者だった前社長が前年に急死していたため闇の中とこと。
また政界とのパイプもあったという。

【話のネタ本にGOOD】 2007年 学研新書
藤巻 一保
吾輩は天皇なり―熊沢天皇事件 (学研新書 14)