ワスプ | 中央線で読む新書

ワスプ

アメリカの支配階級・W(白人)AS(アングロサクソン)P(プロテスタント)の
その形成と歴史と豆知識。

ブッシュ(父 エール大学)を引き合いに説明の多くがなされ、理解を
助けてくれる。

ブッシュは子供の頃、野球でホームランを打った。帰宅後に母親に報告した。
母はチームの成績を気にした。WASPたるもの、息子の名誉は他のお母さん
経由で聞かせるものであった。

この万事控えめに、は同じくWASPの妻バーバラ・ブッシュも同様にである。
ブッシュが大統領選で対立候補を誹謗する。米国大統領選ではお馴染みの
ことだが、バーバラは夫を避難し、対立候補に詫びの電話をいれる。
これがWASPの女である。

ブッシュとアイルランド系でカソリックのケネディと比較もする。
ブッシュは第二次世界大戦に参加し58回におよぶ出撃を行った。
一方ケネディは魚雷艇を日本軍の攻撃でまっぷたつにされる。それを父親が
手を回して勲章をとらせ、大武勲に書き直させた。

WASPのクラブ文化も紹介。JPモルガンの「ビジネスは誰とやってもかまわないが、
ヨットに乗るのは紳士とだけだ」がその性格を表している。

ハリウッドはユダヤ系が多いことは知られる。その初期においてはユダヤ人が
WASPを演じていた。ドリス・デイ(ドリス・カッペルホフ)、ダニー・ケイ(ダニエル・
キャミンスキー)という具合にアングロサクソン風の芸名として。

違う人種になりきる、その当時のハリウッド映画の「ジャズシンガー」などが
そうした映画であるのが興味深いところ。また著者も指摘しているが、日本の芸能界に
おける在日韓国人を思い浮かべようか。

【書物としてGOOD】 1998年
越智 道雄
ワスプ(WASP)―アメリカン・エリートはどうつくられるか