世界を動かす石油戦略 | 中央線で読む新書

世界を動かす石油戦略

石油をめぐる俗説(米国は石油利権のためにイラク戦争を仕掛けた)を
打ち破るところから本書は始まる。

・米国一次エネルギー市場における中東原油のシェアは2%程度。
・石油権益は70年代以降の資源ナショナリズムの興隆によって
 ほとんどが国有化されている。
・石油は国際商品であり、世界単一の市場を形成している。

以上により、米国軍がイラクに攻め込むのは石油権益を得るためではない。
米国のねらいは石油供給の安定にあるに過ぎない。(原油価格と日本株とが
逆相関の関係-原油価格が下がれば日本株が上がる-にあることを思い
出せば簡単な理屈である)

続いて面白いのが中国。中国が資源をかき集めていることは今日頻繁に
耳目を集める。その中国は石炭に長らく依存していたために石油危機を
経験して居らず、備蓄石油を保有しないため、次に中東発の石油危機が
起きた際に、中国が懸念材料と成りうる。

第一次第二次石油ショックは、日本の商社がパニックを起こし、OPECに
とんでもない高額なオファーを出したために、余計に価格が上がり、ショックを
大きくしたことは外国では常識とのこと。

なぜ飢饉は都市でなく農村で発生するのか。都市は多チャンネルの流通で
食料を得るために価格の上昇に耐えさえすればすむためとのことで、それを
引き合いにポートフォリオが石油に関しても通用することを知る。(171-173)

【書物としてGOOD】 2003年
石井 彰, 藤 和彦
世界を動かす石油戦略