野垂れ死に | 中央線で読む新書

野垂れ死に

本職の囲碁を極め(本人は「碁のことを一生考え続け、
それでも何も分からなかった男」と謙遜)、飲む打つ買うをも
極めた藤沢秀行の聞き書き。

大きな声ではいえないが、私が賄う世帯は一軒だけではない。
大変なのだ。くたびれる

たまたま用事があって、わが家へ帰る必要ができた。私鉄の駅で
降りたものの、家までの道が分からず、電話で女房を呼んだ。
『オレの家がわからないんだ。一回行っただけだからな駅まで
迎えに来い』


葛西善蔵や嘉村磯多、川崎長太郎の系譜に属する私小説の傑作で
すらある。

【通勤用にGOOD】 2005年

藤沢 秀行
野垂れ死に