自己愛型社会 | 中央線で読む新書

自己愛型社会

「誇大自己症候群」の岡田尊司による。
こちらは個人にでなく、国家の盛衰に精神病理を見出すことによって
日本の危機の正体を知り、解決しようというもの。

古代ローマ、オランダ、アメリカがその診察対象。
なるほど読んでいくと現在の日本の病が見え隠れしてくる。

本書で倉部誠「物語オランダ人」文春新書 が取り上げられる。
これを読んだ際はオランダ人はとんでもない連中だと思ったものだが
本書を読むとそのとんでもなさが日本にも当てはまることに気付いた。
なかなか説得力のある著書である。

著者は<今日の日本社会を動かしているのは、「誇大な自己愛」
よりも「卑小な自己愛」である。>(233)と言う。

昨今の にわかナショナリズムは「卑小な自己愛」にあたろう。

【暇つぶしにはGOOD】 2005年

岡田 尊司
自己愛型社会―ナルシスの時代の終焉