代議士のつくられ方 | 中央線で読む新書

代議士のつくられ方

96年総選挙の東京17区(葛飾・江戸川)で平沢勝栄が
初当選した。本書では選挙区の事情を説明したうえで
平沢が支持基盤を確立していく過程が精緻に書かれている。

東京は匿名性が高く、近所の目を気にする必要がないために
共産党と創価学会が強い。と同時に排他的でないために
落下傘候補(平沢は岐阜出身)も戦いやすい。

そうした地で平沢は共産党・創価学会・労働組合以外の
すべてのコミュニティに接触しては支持基盤を作り上げていく。
また区議会議員の取り込みなどまで取材されている。

その際に大きな力になったのが宗教団体である。
反・創価学会ということで1000人以上の信者をもつ宗教団体が
14も平沢の運動を支えた。

もともと自民党の支持団体のうち10万人以上の党員がいる団体は
特定郵便局の団体・旧軍の恩給関連の団体、日本遺族会、
そして宗教法人の世界救世教である。

公明党と連立を組み、靖国問題を生じさせた今日に 多くの
宗教団体はどのように2005年の選挙と関わったのかを
知りたいところ。

選挙戦・選挙PRに関するものは多いが 日頃の基盤固めに
関するものは少なく、そういう点においても良書であり労作である。

【書物としてGOOD】 2000年

バク・チョルヒー
代議士のつくられ方―小選挙区の選挙戦略