DNA検査の精度が高まり、私たちの祖先がどこから日本列島にやって来たのかが分かるようになりました。

NHKテレビでは国立科学博物館の篠田健一館長が日本人は何処から来たのか、人間の起源、をDNA分析から明らかにしており、メディアでも詳しく紹介されて来ました。私も東京国立博物館や国立科学博物館を見学して、現在の科学的考古学や人類の歩みが分かり易く展示されているのを見まして身近に感じました。

 

民間のDNA分析会社『GeneLife』に依頼して自分の体液を送り、DNAを分析して貰いました。

 

§1.母方のミトコンドリアハプログループ 母方の祖先が何処から来たのか分かりました。

母方遺伝子検査結果 ハプログループ 判定結果

私のミトコンドリアハプログループAグループ (A)でした

 

結果説明

この項目は、ミトコンドリアハプログループを「A」 「B」 「D」「F」「G」「M7」「M8」「M9」「N9」 「L」「M」「N」「H」「R」の14分類で判定しています。

プロジェクト概要

ミトコンドリアDNAは母親から子供へと受け継がれています。そのためミトコンドリアDNAを解析することで母方の祖先を遡ることができます。

 

マンモスハンターと呼ばれた狩猟民

 

Aグループは、約3万~2万年前にロシアのバイカル湖周辺で誕生したグループで、日本人の約7%が属しています。 朝鮮半島、中国中央~東北、中国南部を移動し日本に入ってきたと考えられます。

 

ミトコンドリアハプログループ 

 

 

 主に北方に多く分布しており、北側で多数派を占めるグループです。最終氷期の最寒期以降に、北方へ進出した集団が拡大し、Aグループが確立したと言われています。

北東シベリアと北中米の先住民の過半数がこのグループに属しています。

最初にAグループが発見されたのも北米先住民からでした。

 

マンモスハンター

旧石器時代のシベリアでは、優れた狩猟技術を持つ人々により、マンモス猟が行われていたことが知られています。

Aグループはこの狩猟民の末裔だと考えられています。

 

日本に入ってきたグループは、マンモスを追いながら朝鮮半島を一直線に南下し、縄文時代に到達したと言われています。

日本でも比較的古い部類のハプログループです。

20万年前にホモサピエンスはアフリカで誕生し、ハプログループAバイカル湖から縄文時代に日本列島に到達しました。

 

 

 

母・正枝さんの若かりし頃の写真

(栃木県出身仙台市に嫁入り後の20代前半) 

色白で顔の輪郭はロシア系と言われると何となく納得するものが有りました。

 

 

グループAの祖先達

 歴史研究の過程で、大昔の遺骨からもグループAが発見されています。有名な話では、ナスカの少年ミイラや江戸時代の日本画家の名門狩野家の九代目養信が知られています。

 

ナスカでは1920年代~30年代にかけて、数百体のミイラが発見されました。

その中の保存状態の良い一体の少年のミイラを調べたところ、Aグループのミトコンドリア遺伝子を持っていました。このミイラは、約1,300年前のナスカに生きたと考えられ、グループAの分布が明らかになった例の1つです。

 

狩野養信のハプログループは、日蓮宗池上本門寺の墓 地改葬の際に、出土した遺骨を調べた結果明らかになりました。この狩野養信は、日本のハプログループの研究において名前の解っている数少ない人物の一人で す。

彼の作品は現在でも保管展示されている博物館や美術館があるので、一度見てみるのも良いかもしれませ ん。

 

(参考文献)

van Oven MとKayser M. ヒトミトコンドリアDNA変異の包括的系統樹の更新。Hum Mutat。2009年2月;30(2):E386-94。

 

 

§2. 父方 Y染色体ハプログループ

父方の判定結果(宮城県出身)

父方Y染色体ハプログループ 0グループでした。

 

結果説明

この項目は、Y染色体ハプログループを「C」 「D」 「N」「O」「Q」の5分類で判定しています。

 

プロジェクト概要

Y染色体は男性の性染色体であり、父親から息子へと受け継がれています。

そのため、Y染色体を解析することで父方の祖先を遡ることができます。

 

父方ハプログループのO

ハプログループO日本人のY染色体ハプログループの最大集団で、日本人男性全体の55%程度を占めていま す。

 

世界では東アジアから東南アジアに至る幅広い地域に分布しており、アジア人を代表するY染色体ハプログループと言えます。

 

日本国内の分布を見ると、北部と南部には少なく、本州にやや多い傾向が見られるようです。

 

およそ3000年前に日本列島全体に拡がっていったと考えられることから、弥生人に由来するY染色体であると考えられています。

 

参考文献

 

原山 勇一 他「ショートアンプリコンを用いた日本人Y 染色体ハプログループの解析と法医学分析への応用」Leg Med (東京) 2014年1月;16(1):20-5. doi: 10.1016/j.legalmed.2013.10.005. Epub 2013年11月1日。

 

Hammer MF. et al. 日本人の二重の起源:狩猟採集民と 農耕民のY染色体の共通点。J Hum Genet. 2006;51(1):47-58

 

 

これらの事から父方の祖先は中国南部のY染色体ハプログループは 0グループで、今から2000年前くらいに朝鮮半島から日本列島に渡って来たものと考えられます。

 

 

 

 

(参考)

GeneLife DNA検査を引き受けます 民間企業

URL:  https://www.genelife.jp/